10月21日(土)~22日(日)
 小樽観光から舞鶴港


 11時にホテルをチェックアウトすると「ステンドグラス美術館」に歩いて行く。と、入り口に張り紙が。「挙式の為、貸切中。10:45~12:15まで」。現在時間は11時過ぎ。どのみちフェリーに乗るにはこっちに帰ってくるので、ワイナリーへ先に行くことにした。
 ナビに「余市ワイナリー 余市葡萄酒醸造所」をセットし西に向かう。約30分の道のり。ナビの案内で国道から左折する。少し走ると右側の広い空間にワイナリーが見えてきた。



 とりあえずレストランへ向かう。表のメニューにはなかなか魅力的なランチが並ぶ。




 私の頼んだチーズハンバーグとジャガイモのチーズ焼き、連れ合いの頼んだマルゲリータのピザ。
 ジャガイモは思った量の倍以上、あった。美味しかったので、結局全部食べてしまった。



 レストランで食事をした後、ショップを覗く。ここで意外な物を見つけた。かわいらしい猫のイラストと言葉が書いてあるメッセージカード。「充電中」と書いて後ろ足をだらりと垂れ下げている姿。「じぶんが喜ぶ事をやる。」と書いて障子に穴を空けている姿。この中で「がんばったねってたまに言ってくれないとがんばれない」と腹ばいに寝転がっている猫のイラストが有り、この言葉が妙に心に刺さった。

 そのメッセージカードを見ながら、会社を辞める前の2年ほどの出来事を思い出していた。あふれる仕事量を、断ったらやる人がいないと思い、文句を言わず、ひたすら受けて、完全にキャパオーバーの中、いつの間にか職場で笑うことも無くなり、みんなが飲みに行っている週末にも事務所で一人、仕事をして、それでも片付かなかった業務が多々あった。飲み会に誘われる事すら無かった。そして業務について相談しても上司は「そんなの、自分で何とかして下さい。」と言われるだけで、まともに取り合わなかった。取りこぼした業務は多く、最終的に仕事が出来ていないと、査定は最低ランクだった。最後に心が折れた出来事は割愛するが、正直、今思うと「馬鹿馬鹿しい」の一言である。多分、私が辞めた後、業務を引き継いだ人間は、取りこぼした業務の為にいろいろとトラブルが出てきて、私の悪口を言っているだろうなと思う。キャパオーバーの仕事をしていた事に対して、ねぎらいの言葉をかけてくれた人はほとんどいなかった。「一度、キレた方がいいですよ。」と言ってくれた同僚もいたが、私には出来なかった。結局、文句も言わず必死になって仕事をしてきて、社内に残したものは私の仕事の悪評だけだろう。本当にしんどいだけの、同僚と雑談するだけの楽しみすら無い、馬鹿馬鹿しい2年間だった。唯一の楽しみはゴルフだけだったが、これも職場では行かなくなってしまった。


 そんな事を思いながら他のメッセージカードも取り、いくつかのイラストと言葉が書かれたマウスパッドが3種類、置いてあった。結局、選ぶ事が出来ず、マウスパッドは3種類とも買ってしまい、メッセージカードと併せて結構な額になってしまった。

 ワイナリーを出ると、予定にはなかったが、近くに「ニッカウヰスキー余市蒸留所」があるので行くことにした。私はサントリー派なのでニッカのウイスキーは買ったことがない。ワイナリーから10分もかからず蒸留所に着く。入り口で係の人が予約の有無と予約が無い場合はショップとレストランとライブラリーだけの利用になる事を案内している。



 こちらがショップ。ショップを覗く前にライブラリーを回る。多分、どの銘柄がどんな思いで作られたかがわかると思ったからだ。それ見てから買うウイスキーを考えようと思った。
 ニッカの創業者が日本で最初にサントリーの山崎蒸留所を作り、その後、独立して北海道に蒸留所を作った事は知っていたが、ライブラリーの中を見学していると何となく胸が熱くなる。自分の知識に間違いも有り、知らなかった事が多々あり。




 ショップ内では「余市蒸留所限定品」のウイスキーが何種類か売られていた。お一人様1本までとか2本までとか。売り切れの商品もあった。
 せっかくだしと、出荷されているウイスキーは買わず、この限定品を2種類、ゲットした。


 余市蒸留所を出ると、再度、ステンドグラス美術館に向かう。


 ステンドグラス美術館に展示されているステンドグラスは実際に使われていた物を集めたのだそうだ。教会に設置されていた事もあり、聖書の物語が多い。これは最後の晩餐である。戦地に赴く家族の無事を祈って寄贈された物もあった。一見の価値ありである。



 この後、駅前のイオンで少々買い物をして時間を潰す。時間は20時前。夕食はラーメンにしようかとネットでラーメン屋を探すが、殆どの店が20時半まで。今から移動していては間に合わない。遅くまで開いているお店は、結局、運河近くの観光客が集まるエリアだった。いくつかの屋台村の一つに見つけたラーメン屋に向かうべく、商店街の近くのパーキングに車を停める。しかし、ラーメン屋は小さく、席はひとつしか空いていなかった。
 屋台村の入り口にある「お店、紹介します」と書かれた小さな案内所にラーメン屋を探して貰う。高校生くらいの女の子が二人座っていて、パソコンでラーメン屋を検索し、1件のラーメン屋を教えてくれた。10分ほど歩いた所である。


 教えて貰ったラーメン屋「右衛門」。中に入ってみるとカウンターだけで10人ほどしか入れない小さな店だった。観光客向けというよりは地元の人向けといった感じのラーメン屋である。入り口で食券を買い、カウンターに座る。
 私は塩ラーメンを注文。少し量が多く感じたが、シンプルなラーメンで美味しかった。

 偶然だが、北海道で最初の食事と最後の食事がラーメンになった。しかも私はどちらも塩ラーメン。塩ラーメンで始まり塩ラーメンで締めた北海道グルメであった。

 ラーメンを食べ終えるとフェリー埠頭に向かう。来た時と違い、充分に時間はある。乗船手続きを済ませ、待合室へ。来る時もいたが、今回は来る時の倍以上の自衛隊員が待合室に。車に乗り込みに行った時も20両以上はあるだろうか、自衛隊の車両が沢山、停まっていた。


 舞鶴まで乗船する「はまなす」。
 乗船が始まる。私の車は1甲板、つまり一番、船底へ案内された。エレベーターで4甲板に上がり、鍵を受けとると部屋へと向かう。
 来た時に比べると部屋は狭かった。和室で個室内にトイレは無い。来る時と違い、乗船時間は約20時間、一泊である。
 この船は高速艇に分類されるらしく、航行中は後部甲板以外は強風の為、出る事が出来ないとの事。



 予定より10分ほど遅れて出港。一路、舞鶴へ。
 しかし、スピードが速い事もあり、日本海でもあり、とにかく揺れる。連れ合いが初めて「酔い止めの薬が無いか、見てきて。」と言った。私も若干、気分が悪い。船内ショップに行くと、酔い止めのドロップが売っていたので買って帰る。これを舐めて少しましになったように思う。
 この後、私はひたすら寝ていた。次の日の朝食、昼食は食べに行ったが、それ以外は殆ど寝ていた。15時頃、お風呂に行き、その後、また舞鶴到着までの殆どの時間、寝て過ごした。

 さすがに最後は疲れてきたようだ。舞鶴港に着岸してナビに自宅をセットする。約120km。1時間半くらいの道のりだ。いろいろと新しい発見のあった北海道旅行は終わった。





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