エレファントキャンプへ
カレンの村を離れ、目指すはエレファントキャンプである。約3時間のトレッキング。時間は10時30分くらいだから、13時30分くらいの到着予定になる。
前日、みんなについてこれなかったBさんは、若いガイドさんのサポートの元、別行動となった。という事は、どうやら今日は僕がしんがりになるという事らしい。しかも、後ろには誰もいない。
とりあえず、遅れないようについて行かなくてはと、ペースを合わせて歩く。
コースの途中、川を渡る。実はすぐ脇に牛が何頭かいるのだが、写真はちょっとわかりにくい。
集落を2つくらい過ぎて、小さな集落にある小さなお店の前で休憩する事になった。お菓子や飲み物が売っていたので、めいめい、適当に買っていた。僕は小腹が空いていたので、小さなパンのような物とコーラを買った。
出発までにトイレを済ませようと、店の反対側にあるトイレに行ったのだが・・・。
タイの山岳民族のトイレはなかなかすばらしいが、ここのトイレはまた、特別に素晴らしかった。何が素晴らしいかというと、素晴らしく眺めがいいのだ。牛を連れて道を歩いている女の子は見えるし、反対側を見ると、青々とした山並みが見えるし・・・・一応、囲いはあるのだが・・・・。
まあ、郷には入れば郷に従えという事でしょうか。
ついでに言っておくと、僕がこのトレッキングで一番苦労したのがトイレである。タイのトイレの説明は他のサイトに任せるとして、濡れないようになのか、足を置くステップが少し床から上がっている。そして、ステップが狭いのである。僕は体が硬い為、そのステップの上に座っているのが苦痛なのだ。おかげでゆっくり用が足せなかった。
集落で見かけた女性。なかなかたくましい姿である。
一休みも終わり、集落から出る所に来てみんな立ち止まってしまった。川を渡って反対側に行かなくては行けないのだが・・・・・。
ガイドは、「この橋をワイヤーにつかまって渡るか、下の川を泳いで渡るか、竹の筏で渡るかだ。」と言った。結局、みんな、ワイヤーにつかまって渡ったのだが・・・・・。
わかります?
この写真は僕が渡り終えてから撮ったんですが、どうやら橋の改修工事の最中だったようです。
思わず、タイだな〜と思った瞬間でもありました。
高さは多分、5mくらいだったと思います。
何とかみんな無事に渡り終え、少し広い道を歩く。このあたりまでは車も入るようである。2〜3分で右側の狭い道に入る。
今回案内してくれたガイドさんは、山の事を実によくご存じで、途中、様々な草木の解説や、虫の解説をしてくれた。英語がわかる方はかなり楽しめると思う。私?言葉の前に体力が・・・・ (^^;;;
という訳で、ついて行くのに必死だった僕は、途中の写真は殆ど、撮る事が出来なかった。前を行く人がぶら下げているオレンジのライフジャケットを見失わないようについて行く。急な上りや下りになると、膝に堪える為、歩幅が小さくなり遅れがちに。緩やかになったらペースをあげて追いつくといった事を繰り返す。歩く為には特に考える事はいらない。いつしか、頭の中はトレッキングとは全然別の事を考えていた。
前を行くライフジャケットを見ながら考えていた事。それは、家族の事である。連れ合いや子どものちょっとしたほほえましい仕草を思い出しては一人ほほえんでいる。そんな事を思い出している自分に気がついたのは、前を歩いてるスロヴェニア(この国、この人から聞くまで知りませんでした。)から来たSさんの草履の鼻緒部分が切れて立ち止まった時である。自分でもちょっと驚いていた。疲れて、あまり考え事が出来なくなっているような時、やっぱり支えになるのは家族なんだな〜と実感した次第である。
現代の生活の中、自分のそんな気持ちを見つめ直す機会はなかなか無い。忙しさの中に埋もれてしまう。実際、僕自身、この2年半、そんな事を思い出した事も無かった。連れ合いが「家族でどこかに泊まりに行きたい」と言った気持ちが今になってわかる。みんな忙しすぎて、家族をいとおしむ気持ちになかなか気付かないのではないだろうか。
この鼻緒が切れたSさんは、そのまま裸足で歩き出した。すぐに小川をまたがなくてはならない所があり、みんな、靴がぬれないように飛び越したり、小さな石を足場にとしていたが、このSさんがそのままジャバジャバと川を横切ったので、思わずみんな笑ってしまった。
少し急な坂道を下ると、小さな橋が見えてきた。その橋を渡ると目指すエレファントキャンプである。
先程の橋と違い、隙間は空いているものの、普通の吊り橋である。橋の向こうに見えるのがエレファントキャンプの建物だ。
エレファントキャンプに着くと、別行動だったBさんがいた。話を聞くと、カレンの村から40分くらいでここに下ってくる道があるとの事。トレッキングのコースはいくつかの集落を通るように山をくるっと巻いているのだ。
用意されたヌードルの昼食を取ると、像に乗っての移動まで一休み。川に入りにいくもの、ごろっと横になるものと、それぞれの方法で時間を過ごす。私?当然、ごろ寝組です。