To Castle Combe


 朝起きるとシャワーを浴び、朝食を済ませる。昨日の反省から3時頃目が覚めたが、無理矢理7時までもう一度寝たので、今日は大丈夫だろう。
 今日からレンタカーを借りて郊外を回る予定だ。ホテルを留守にするつもりなので、部屋の中を片づけ、荷物を詰めると駅で片道だけの切符を買いハーツレンタカー、マーブルアーチ営業所へ向かう。JCBプラザで場所は教えてもらっていたので、すぐに分かった。約束の時間までまだ1時間近くあったので、前にあったスターバックスの店に入り一休みする事にした。カウンターの女の子に、「カプチーノ」というと、「Cap of Tae?」と聞かれた。もう一度、「ノー、カプチーノ。」と言ったが、やっぱり、「Cap of Tae?」と聞き返される。再度、ゆっくり、チーをはっきりと意識して、「カブ チー ノ」と言うと、「OK,Capucino.」と分かってくれた。席についてキャッスル・クーム(るるぶではカッスル・クームと書いていたが、僕の発音ではキャッスル・クームの方が通じたので、こっちで書く事にする。)までの道のりを地図で確認する。るるぶお勧めの「Big Rord Atlas Britain」である。地図を見る限り、簡単そうであった。一番ややこしそうなのはロンドンを抜けるまでみたいである。


 ハーツレンタカー・マーブルアーチ営業所。カウンターで予約書とドライビングライセンス、クレジットカードを見せる。携帯電話の番号を聞かれるが、持っていない。連絡先を聞かれたので、ホテルのカードを見せる。手続きはすぐに終わり、下の駐車場に車があるからとキーを渡された。ついでにハイウエイ、M4への道を聞くと、「簡単だ、ここから左に回って、A4又はM4の大きな標識に従って行けばいい。」と教えてくれた。

 今回、借りた車である。一番小さいのを頼んだ。ロンドンの道は狭いし、乗るのはどうせ一人である。もう一つ大きな車までは同じ値段だがどうすると聞かれたが、小さい方にした。



 さて、いよいよ走り出すが、サークル状の交差点がくせ者である。物の見事に方向感覚を失い、道に迷ってしまった。せめて太陽が出ていれば見当がつくのだが、ロンドンに来てまだ太陽を見た事がない。
 ロンドンの交通はなかなか厳しいものがある。一人で道が分からないと、地図を見る事が出来ないのだ。道が狭いため、道路脇に停めると即、後続車の邪魔になる。全然、車線に余裕が無い。交通量も多い。その上、どうやったらこんなに上手に信号制御が出来るんだろうと思うくらい、複雑に走る道路の信号が一旦走り出したら10個20個と過ぎていく。50kmhで走ると後続車がずら〜っと並んでしまう。脇道に入って停めようと思っても、やっぱり同じで、狭いし交通量はやっぱり多い。信号で停まった時にと思うが、信号がやけに短い。試しに計ってみたら、赤信号に変わってから次の青まで18秒だった。日本語の地図でも難しいと思うが、ましてや現地調達の英語の地図である。
 まあ、それでも苦労しながら1時間くらい走って、ようやくM4に出た(ちなみに、迷わなかったら20分かからないと思う・・・)。
 ハイウエイに入ってしまったら、実に快適だ。60マイル〜80マイル。100k〜130kくらいだろうか。小さい車とはいえ、実によく走る。130kを越えてもストレスを感じない。ちなみにやっぱり160kmhまで、楽に出ました。
 1時間10分くらいで目的地、キャッスル・クームに向けてインターチェンジを降りる。ちょっと走ると、「前方に信号あり」の標識が・・・。そう、この後も思ったが、本当に郊外に出ると信号を見ない。この後は一カ所、サークル状の交差点で間違えただけで、程なくキャッスル・クームの駐車場に着いた。天気はそこそこ雨が降っているが、ジャンバーを着てその下にカメラを入れ、村へと歩き出した。


 駐車場にあったインフォメーション。村自体は15分も歩けば過ぎてしまう程小さい。


 村が見えてくる。石造りの家が徐々に見えてくる。


 とにかく素晴らしい街並み。小川が流れ、B&Bの前に停めてある車が邪魔な程、美しい。おみやげを売っている小さなインフォメーションがひとつあるだけの小さな小さな村だ。不思議とB&Bが町の規模の割には多く、この美しい自然を楽しみに来る人が結構、いるのだろう。レスロランらしきものもあるにはあった。


 この村から3〜4時間かかるフットバスという散歩コースがあるとの事なので歩いてみたかったが、何せ雨である。そうそうに引き上げて次に向かう事にした。

 次はバイブリーという村に向かうつもりだったが、郊外の一般道はロンドン市内に負けずきつい。交通量が結構、多い上に70kmhで走っていると対向車がいるにも関わらず無理矢理追い越しをかけてくる。日本で言えば30〜40kmhの歩道も無い、狭い片側一車線の道である。確かに見晴らしがいいとはいえ、そんなスピードで走るのはかなりきつい。80kmhを越えると無茶な追い越しが減るが、流れに乗ろうと思えば100kmh、出さないといけない。それでも追い越しをかけてくるが、無茶な追い越しは無くなる。しかし、サークル状の交差点で一度迷うと、車を停めての確認が例によって出来ない。脇道にそれたつもりが嫌がらせかと思うくらい、後ろの車が何台かはついてくる。地図を見ればわかるのだが、必要最低限しか道が無いので、脇道なんか無く、どっちに走っても幹線道路なのだ。時折、農場などの入り口の小さな道を見つけるが、何せ100kmh近いスピードで走っているのである。急に停まる事など出来ない。道ばたのガソリンスタンド等に入ろうと思えば指示器を出して急ブレーキに近いくらい強くブレーキを踏んで入っていく。後ろの予想がつく行動なら問題ないが、道ばたに停まるなどといった予想外の事をするのは怖い気がする。信号など1時間以上走っているが見あたらない。
 そんな訳で、20〜30分くらい走ってようやく停めるところを見つけて確認するのだが、30km〜50kmは迷ってから走っている計算になるため、さっぱり、分からない。太陽が出ていればまだしも今いるルート名が分かっても、どっち向いているやら、見渡す限りの平原の中、確認のしようが無かった。
 そんな訳でひたすらまっすぐ走って、ようやく町らしき所に出て確認すると、バイブリーは遙かに通り越していた。予定を変更して行きたいと思っている一番北の端、ブロードウエイという村を目指す。これも途中迷いながら、レッカー車で車を運んでいる運転手が休憩しているのを見つけ、道を教えてもらって5時30分頃、ようやくついた。しかしこの時期、外はもう真っ暗である。通りすがりで見つけたB&Bのベルを鳴らして、「ドゥ ユ ハブ バケンシー? アイ ウオント シングルルーム。」というと、「用意できる。40ポンドで税金朝食込みだがいいか?」と言われ、「OK」という事で宿の確保が出来た。


 どう見てもダブルベッド。シングルの料金で泊まらせてくれた。


 夕食を食べる事の出来る場所を聞く。少しあるいた所にバーがある。静かな所で、食事も出来ると教えてくれた。
 実は、僕はロンドンについていらい、朝食と夕食だけで過ごしている。朝はホテルのバイキング形式でつい余分目に食べてしまうのだが、それだけで夕方まで持つ。お腹がすいた所でもう少し我慢して夕食にする。でないと、夕食で何を頼んでも取りあえず量が多いのだ。食べきれない。



 静かな落ち着いた雰囲気のレストラン。反対側にバーがあって、そっちはけっこうにぎわってます。






 頼んだスープが出てきてびっくり。確かにステーキ等の量が一番ちいさいので225gって書いてあったから、その時点で気がつけばよかったのですが・・・。頼んだチキンの大きさは想像に任せます。まあ、しかし、お昼を食べていないおかげですべて食べる事が出来ました。




 部屋に帰るとシャワーを浴び、8時頃、ベッドへと潜り込んだ。


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