マウナ・ケア

8月12日

 朝、7時頃に連れ合いに起こされる。まだ覚めきらない目をこすりながらカメラを首に下げ、朝の散歩へと出かけていく。明るいがまだまだ人通りも車通りも少ない道を歩きながら、家と家の間の細い道を通り海岸へ。溶岩と砂浜とが混在する中、しばらく歩いていると、いつの間にかプライベートビーチへと入ってしまった。しかし、見渡す限り、まだ人影も無く、来た道を引き返す。普段の生活では取ることの出来ない時間であった。
 
 時差ぼけのせいか、お腹はまだ空かないので運動を・・と思い散歩に出かけました。ビーチを歩きたかったので、連れ合いを誘って出かけました。どこまでがパブリックか、どこからがプライベートかよくわからず、不法侵入をしたかも・・。でも、うるさく言う人はいませんでした。溶岩の黒い岩の上に白い石でメッセージを描いてあるのをたくさん見ました。そういえば、ウェブトラベルのNさんが、メッセージを描いてきてくださいと言われていたのがこれのことなのだと思いました。
 朝食を済ませて、コナの街へ出かけました。地図だけが頼りでよくわからないままに、どうも街の中心部に行けたみたいです。ファッションやお土産やを覗いて、キャップやドレスを買いました。また、椰子の茂るビーチやウミガメも発見。



大型観光船も写真に納めました。これは、後でツアーのガイドさんから説明を聞きました、一週間でハワイの諸島を巡るクルージング船で、水曜から木曜にかけてハワイ島沿岸に停泊すると聞きました。ハワイ島は付ける港がないので、小舟で行き来するそうです。




 ここは、思っていた以上の街の中心部だったようで、ホテルやコンドミニアムも林立していたようです。もし、レンタカーを借りていなかったら、今回のホテルはとても不便な場所だったと思います。しかし、このメインストリートに宿を取ったならば、とても高く付いたでしょうね。自分たちで手配をしていないので、いまいち条件がつかめないのが、後でストレスになりました。

 Nさんはレンタカーありきだったので、ここのコンドミニアムにしたのだろうから、私は特に不便を感じなかった。街中まで10分もかからないし。ただし、街中での駐車場には若干、迷った。無料だと思って停めたのだが、その隣の駐車ブロックには駐車料金のチケット販売機があったのだ。
 後で聞いた話だが、パブリックの駐車場でも有料と無料が入り交じっているとの事。有料駐車場が特別便利な所にあるわけでもないようだ。いいんだろうか・・・。




 コナの街中を歩く。見つけましたよ〜、日本観光客案内所。まあ、中には入っていないので、サービスは分かりませんが・・・。
 ちなみにワイキキと違い、ハワイ島ではあまり日本語は通じません。

 旅行に行くといつもキャップを買う。今回は家からは前に買ったマウイのキャップをかぶって来ていたが、ハワイ島のキャップが欲しくてショップを覗く。「BIG ISLAND」と書かれたキャップを12.99ドルで手に入れると、早速、頭に乗せた。


 部屋に帰ると少し早めの昼食にする。昼からマウナケアのサンセットツアーに参加予定だ。13時40分に迎えに来るとの事なので、それまでは少し時間がある。





 昼食後、テラスにあるチェアーに寝転ぶ。風が心地よく、すぐに眠り込んでしまった。




 13時過ぎ、連れ合いに起こされ、カメラやトレーナーを準備する。しかし、防寒具も貸してもらえるし・・・と思い、三脚なども持って行く事から、重ね履きする用に持ってきたズボンは荷物に入れなかった。


サンセット&星空ツアー

 13時30分頃、ロビーに降りて迎えを待つ。程なく前の駐車場にすぐにわかる車が停車した。
 ガイドのHさんは気さくな感じで私達を迎えてくれた。車内にはまだ誰もおらず、私達が一番最初であった。一番後ろの席に座ると、Hさんは水と今日の予定が書かれたペーパーを渡してくれた。その後、ツアーに参加するにあたっての注意事項が書かれたペーパーを、中身を読んでサインをするようにと手渡された。
 途中のホテルで女性を一人乗せると、マウナケアの途中で残りの人と合流するという事で、そこまではこの4人との事。ガイドのHさんは、所々、解説をしてくれながら、途中、クイーンズマーケット(ヒルトン)という所により昼食の弁当を調達すると、合流箇所を目指して一面の溶岩の大地を軽快にツアーバスを走らせた。


 事前にインターネットでサンセットと星空のツアーは調べていて、太公望という会社が割高だけど内容は良いというのは知っていました。しかし、今回利用のツアー会社は、検索するとまず出てくるジャックスツアーという会社でした。ガイドのHさんは、とてもフレンドリーで良い感じだったし、車も運転も申し分ありませんでした。途中でオニヅカ・ビジターセンターというところで出されるお弁当に差がでるという情報でしたが、いただいたお弁当は十分な量があり、特に不満はありません。

 オニヅカで体を慣らし、高山病の対応をしたものの、調子の良くない人が一人いました。お水を飲んでねと何回も注意喚起したものの、体調はよくない感じでした。しかし、「大丈夫・・」と答えられたので、そのままツアーは続けられましたが、気の毒に思いました。酸素の用意であるとか、途中でリタイアしても他の人たちに迷惑がかからない用意があれば、いいのにと思いました。太公望では何か対応があったのかなぁ・・。



 途中で小高い丘に登り、記念撮影。こんな風景が一面、広がっている。ここはまだ標高は2000mにもなっていない。まだまだ暖かい。
 この丘を降りた所にある駐車場で他の人達と合流し、オニヅカビジターセンターを目指す。








 オニヅカビジターでの食事。私はハンバーガーにサラダとジュースくらいを想像していたのだが、米の弁当に味噌汁とお茶がついていて、ちょっとびっくり。雨に濡れているテーブルと椅子を拭いて、弁当を食べる。そこそこ、美味しかった。





 食事が済むとトイレを済ませ、バスに乗り込む。この先は舗装をしていない道が15分ほど続くとの事。レンタカーの進入禁止区間だが、途中のカーブで動きが取れなくなっているレンタカーを見た。突っ込む人はいるんだね〜と思いつつ、やがて舗装道路へと出る。ツアーバスは頂上手前、かの有名な日本の天文台、スバルを見上げる位置にある駐車場に一度停車する。この駐車場には簡易トイレがいくつか置いてある。しばしの休息の後、いよいよ頂上へと登っていく。尚、頂上にはトイレはないので、この後は当分、トイレに行けなくなる。




 サンセットまで約30分。一番左の天文台がスバル。一面の雲海が眼下に広がり、太陽の光が雲の隙間に広がり、美しいオレンジ色に染まっている。ガイドのHさんから膝下まである防寒具を借り、すぐに羽織る。しかし、4200mの寒さを舐めていた私は、この後、日が暮れていくにしたがい、震える事になる。




 昴をはじめ、各国の展望台がある頂上近くまで登ると、すばらしい景勝とすさまじい寒さが待っていました。防寒着を貸してもらえることはわかっていましたが、それでOKなのか、それ以外にも寒さ対策をしていた方が良いのかは情報がありませんでした。もちろん、出発までは常夏の気候で過ごしているわけですから、連れ合いは寒さ対策を甘く見て、せっかくスーツケースに詰めていた防寒用のズボンやヤッケを持ち込まず、後で寒さで手が痛くなり、今回のメインイベントである写真撮影が思うように出来ませんでした。防寒具の貸し出しはあるけど、それなりの装備は必要ですよというアナウンスはやはり、して欲しかったです。これも、以前なら自分でツアーの予約をしていたので、十分調べていたのが、今回はウェブトラベルにお任せにしてしまったことを少々悔やみました。おかげで、連れ合いは次の機会があれば・・とずっと言っています。
 幸い、えりちゃんは、様々な防寒具・・腰巻きスカートや手袋も用意していて、用意万端でした。こういう人が普通だと、文句はないのですが、ちなみに私はその中間くらいです。

 誤解があるとまずいので、若干、付け加えておく。今までウェブトラベルで手配して貰った旅行が良かったので、連れ合いは今回もこちらにお願いした。ただ、今回は出発間際まで仕事や私生活が忙しく、今まで程、自分たちでの準備が出来ず、要望を充分伝える事が出来なかった。一例で言うと、レンタカーのメインドライバーさえ伝えていなかった。前回のフランス旅行などは、提案して頂いた内容を、こちらで調べてまた要望を出して・・・という事を何度も繰り返して手配をしてもらった。日にちも充分にあった。今回は手配をしてもらう日にちがあまりなく、このマウナケアのツアーも、手配をお願いしたのは8月4日くらいだったと思う。このツアーのクーポンを受け取ったのは出発の3日前、トランクに荷物を詰めだしたのは当日の朝、出発4時間前であった。そのため、連れ合いにすると、思い通りにならない所もあり、ストレスになったのだろう。
 マウナケア山頂の寒さの情報もちゃんとアナウンスされていた。ただ、私が標高4200mの寒さを舐めていただけの事である。
 一つだけ、あるとすれば、送って頂いた資料の量が多いので、連れ合いはあまり読む気がしなかったようである。私はこういった部類の資料はすべて読むので、おかげでホノルルのホテルでのパーキングでは戸惑うことも無く、パーキング係に車のキーを渡す事が出来たのだ。






 「私は中間派」という連れ合いは、防寒具を着てガッツポーズ。私は車に逃げ込みたい気持ちと、目の前の景色を撮らないとという思いの間で、シャッターを切っていた。3〜4枚撮ると指先が冷えてポケットに突っ込み暖める。そしてまた撮るの繰り返し。丁寧に水平を出している余裕はなく、多少の水平の修正は覚悟で写真を撮っていった。


この写真は私のお気に入りの一つです。ムササビ君と名付けています。背景の雲の重厚さ、夕焼けの淡い色合い・・ここでしか見られない景気と、
あまりの寒さに元気になっています。それと、寒さに落ち込んでしまった取れ合いに対するエールです(^^)この、防寒着は、サイズはフリーで、ジッパーなど、壊れているものもあり、なかなか要注意でしたよ。







 スバルの向こうに沈んでいく太陽を眺めている人々。雲があるおかげで幻想的な光が広がる。




 太陽が見えなくなると、寒さに負けて車に戻る。ガイドのHさんが、トイレに行きたい人を聞くと、私を含めて3人が手を上げる。来る時に立ち寄った、スバルを見上げる駐車場に着くと簡易トイレの方へ・・・。しかし、沢山の人が並んでおり、Hさんから「我慢が出来るのなら、オニヅカまで降りた方がいい。」と言われ、3人とも車に戻ると、また15分のガタガタ道を降り、オニヅカビジターセンターへ。足下を照らすミニライトを借りると、半分くらいの人がトイレへと行く。全員がトイレから帰ってくると、車は星空を眺めるスポットに向かった。

 オニヅカビジターセンターでトイレに行って、最後になってしまったので、小走りをしたエリちゃんは、動悸が激しくなり、その後ずっとしんどかったそうです。ホテルに帰って寝て翌朝は、回復したようですが、やはり高山病は人によっては馬鹿にしてはいけないようですね。

星空観察

 車が走っている間に、レンズを付け替える。シグマの11−35mmF2.8。夜空を撮るには暗いが、私が持っている一番の広角で、一番明るいレンズだ。ISO感度を1600に。経験上、私のカメラ(EOS7D)で私が我慢できる画質は1600までである。トランクに入れてきたストーンバッグは結局、忘れてきてしまった。クイックシューを取り付ける頃、広い空き地の一角に車が停まった。カメラと三脚を持って車から降りる。どれくらいこの場所にいるか、聞いていなかったので、少々焦り気味に三脚をセットする。



 幸い、風が殆ど無く、ストーンバッグは必要なかった。標高も低い為、それ程寒くもなかった。カメラをセットすると、レリーズコードを接続する。取りあえず上空に向ける。初めての夜空の撮影。ライブビューにするが、画面は真っ暗なまま。ファインダー撮影に戻してもどうなっているか、分からない。大体の方向を向けて、バルブ撮影を行う。正確なシャッター速度が分からない為、露出時間は勘に頼るしかない。



 取りあえず一枚撮って、確認。しかし、真っ暗なままで何も写っていない。もう少し露出時間を延ばして2枚目の撮影。やっぱり何も写っていない。この時にやっと気づいた。レンズキャップを外していない。マンガのような失敗をしながら、撮影した画像を見ながら次の露出を決め、適当にカメラの方角を変えながら、写真を撮っていった。



 水平などもう分からない。適当な方向を向けて15秒〜45秒くらいのシャッターをひたすら切っていく。天の川がくっきり見えていて、ガイドさんが星座の解説をしてくれる。反射望遠鏡をセットして、順番に覗いていたが、私はシャッターを切るのに夢中で、覗きに行かなかった。
 しばらくすると、望遠鏡でうまく狙った星が捕まえられなくなったようで、Hさんは近くで星を見ている、別のツアーのガイドさんに望遠鏡を見せてもらえるように頼みにいった。土星が見えるとの事だったので、私も覗かせてもらうと、土星の輪までハッキリと見る事が出来た。ちなみに、望遠鏡を覗かせて貰ったのは太公望さんで、「次回は太公望のツアーでどうぞ。」と宣伝していた。


 撮った写真のデーターを見ると、現地に滞在していたのは約50分であった。初めての星空撮影、それなりに調べては来たが、出来は果たして・・・。
 車に乗ると、真っ暗な中、山を下る。途中でヒロ方面の人達と別れ、コナ方面を目指して車はひた走る。

同じ車に乗り合わせた、他の人たちは、一人参加の女性を覗いて特に親しくする機会には恵まれませんでした。ただ、順番にホテルまで送り届けていく間に、若い人たちがかなりお高いホテルに次々と吸い込まれていくのにやや驚きました。コンドミニアムの私たちは最後の送りで、みなさん、お金持ちだなぁ・・(^^;)そして、誰もガイドのHさんにチップを渡す様子がなく、私たちが握手をする手にお札を握っていると、一瞬Hさんが意外そうな顔をして、喜んでくれました。若い人たちって、もっと旅慣れていると思っていたのですが・・。

 
コンドミニアムに着いたのは23時頃であった。さすがに疲れたので、データーの移動などは翌日にする事にして、取りあえず、ベッドへと潜り込んだ。



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