ノイシュヴァンシュタイン城


 ノイシュヴァンシュタイン城はヨーロッパの城の中では非常に有名で、シンデレラ城のモデルになった城である。僕がこの城の存在を知ったのは18歳の頃だ。当時、ジグゾーパズルに凝っていた僕は、美しいお城のパズルを買って来て組み立てた。それがこの城である。それがドイツの城だと知ったのは随分、後になっての話だが。だから、ドイツに来た一番の目的はこの城なのだ。

 朝、8時過ぎにチェックアウトを済ませ、すぐにお城に向かう。夏場はディズニーランド並に混雑するとの事であった。インフォメーションもまだ開いていない時間、ガイドブックに載っていた一番奥の駐車場までスムーズに入る事が出来た。お城までここから歩いて30分だが、せっかくだから馬車に乗ろうと言う事になった。

 朝一番の馬車に乗る。乗れるだけ乗せるとようやく馬車が出発する。15人くらい乗っているだろうか。これだけの人間を乗せて引っ張る馬は2頭。坂道をゆっくり、時には粗相をしながら(^^;登って行く。当然、2馬力である。
 やがて城の少し下で馬車を降りると、憧れのノイシュヴァンシュタイン城へ歩いていく。写真では真っ白に写っているが、少し灰色がかった城の壁面が見えてきた。

 お城のチケット売り場で入場券を買う。ドイツ語か英語か日本語かを聞かれて、当然、日本語を選ぶ。渡されたチケットに書かれている時間は、なんと10:15であった。現在、9:00。まだ1時間以上もある。
 この城の見学は勝手に入るのではなく、グループになって案内の人について見学していく。その案内にドイツ語、英語、日本語があるのだ。待ち時間が長いので少し下った所にあったお土産屋さんに行く。解説書や帽子を買ったりして時間を潰し、10:15、やっと城内に入る。
 ガイドブックではチケットを買って「日本語」と書いてある所に並ぶとなっていたが、実際はチケットに番号(今回は427)が振ってあり、電光掲示板にその番号が出るので、その列に並ぶのである。入り口で「写真撮影禁止」の表示があったため、内部を撮る事は出来なかった。
 各部屋に着くと、テープで日本語の説明が始まる。簡潔にまとまっていて、実に分かりやすかった。部屋は豪華で、ヴェルサイユ宮殿よりも綺麗だなと感じた。しかし、17年の歳月をかけて、3分の2が未完成だとの事。全部完成したら、どんな城になっていたのだろうか。

 内部の見学は約45分だった。お決まりのお土産屋さんを通って出口に。そしてこの城を撮影するためのポイント、吊り橋へと歩いていった。

 これが城の全景。有名なのはこの写真で言うと右方向から撮影した物である。ちょうど、城の正面になるからだ。この位置からは城の左側を撮影する事になる。しかし、その向こうに見える緑の原と赤い屋根の家々が見事にマッチしていて、非常に美しい景色を見せる。天候に恵まれたせいもあり、満足出来た。

 昼時には少し早かったが、歩いてふもとまで降りた所で昼食を取る事にした。次の宿泊予定地まで100kmちょっと、早めに移動をしたかった。
 例によって屋外のテーブル。ドイツに来る前は「ドイツの食べ物はソーセージとジャガイモばかりで飽きる」と聞いていたが、何の何の。料理はバラエティーに富み、英語のメニューとはいえ、よく分からない料理が並び、出てくるのが実に楽しみだ。(^^)
 でも、レストランでは今のところはずれは無く、どれも美味しかった。ただ、使用されているチーズが日本の物より癖が強いため、チーズを使用した料理はだめな人もいるだろう。

 食事が済むと駐車場に向かって歩く。すると・・・・人、人、人、車、車、車の行列である。そう、あの1時間ちょっとの待ち時間など、たいした事ではなかったのだ。この様子だと昼頃に来ると、城内の見学は多分、夕方になると思う。城の見学をするのなら、近くに泊まって絶対に朝早く(8:30からお城のチケット売り場は開く)に来なくてはいけない。でないと、とんでもない時間を浪費する事になるようだ。

 混雑する道を何とか抜けて、ロマンティック街道を一路、アウグスブルグへと向かう。人口27万人の大きな(このあたりでは)街である。緩やかな起伏を持ち広い緑の大地をかける道路は実に快適で、町の間の道路はほとんど制限時速は無い。たいていの車が100km/hくらいで走っている。時折牛が草を食んでいる光景を見ながらやがてアウグスブルグの街へと入った。ところが、この街に入ると、街の中心に行く道が分からない。地図を見て場所を確認するが???。しばらくうろうろした後、シェルのガソリンスタンドに併設されているコンビニに飛び込む。中にいた人に地図を見せて道を聞くが、この人がまたほとんど英語が分からない。身振り手振りでやりとりしていると、横のカウンターで何か飲んでいた男の人が、身振りで「案内するからついておいで」と言ってくれた。車に乗り込み、その人の車の後に続こうとすると、駐車場の出口で車を停め、こちらにくる。どこに行くのか、聞いているようだ。この人、僕達がどこに行くのか知らないのに、案内をかってでてくれたらしい。地図でインフォメーションのあるあたりを指すと、しばらく考え込んでいた。どうも、英語が読めないの で、道路から行き先を考えているようだった。やがて、僕に地図を返すと、笑顔で自分の車に乗った。
 先導車がいると楽なもので、やがて車と人が行き交う街の中心部に入ってきた。しかし、よくこの人がいたものである。街中に入ると路面電車が道路を走り、車線が複雑になっている。線路の上を走る事もあり、横を走る事もあり・・・・車線が右側通行の事もあり、本当に分かりにくい。前の車がいなければ走れないだろうと思った。そのうち、ひとつのビルの前に車を停めると、ジェスチャーでここがそうで、横に駐車場があると教えてくれて去っていった。実に親切な人である。でも、駐車場に行くと、パトカーが何台も・・・・。そう、その人はどうやらインフォメーションと警察を間違えたようだった。道をはさんで反対側なので、ブロックをひとつ勘違いしたようだ。連れ合いが降りてインフォメーションに行く。しばらく待っていると「今度はインフォメーションで予約をしてくれた」との事。3DMの手数料だったらしい。教えてもらった道はもろに路面電車の軌道の上であった。後ろから路面電車が追ってこないことを祈りつつ、ホテルの駐車場に車を入れる。

 これが本日のホテル。なかなか綺麗なホテルで、なんとプールまであった。広い室内(撮るのを忘れてしまった)で快適な部屋だ。
 部屋に荷物を置き、一休みすると街の散策と夕食に出た。

 アウグスブルグの街並み。石造りの中世の街並みの間を車と路面電車が走る。表通りより裏通りに入ると、いろいろと面白い店が結構ある。うろつくならひとつ裏に入った通りが面白いかも知れない。

 夕食は近くの郷土料理の店で食べる事にした。ここがまた素晴らしく英語が通じない店で、身振り手振りで料理を注文する。しかし、出てくるまで何を頼んだか分からないという、スリル満点の夕食となった。(^^)でも、口に合わない物は無く、なかなか美味しくて満足できる夕食だった。
 明日はロマンティック街道を北に向かい、ローデンブルグに向かう。さてさて、どんな道中になるだろか。



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