グリンデルワルト


 朝食を済ませると荷物をまとめてチェックアウトをする。駅まで送ってくれるかと聞くと、もちろんと言って快く送ってくれた。グリンデルワルトまでの間、スーツケースは邪魔なので駅からの託送をする。時間は10時前。いつグリンデルワルトで受け取れるかと聞くと、「今日の夕方か、明日の夕方。」との答。実に親切な答えである。(^^; まあ、一泊分は手持ち荷物に入れてあるので、一日遅れても困りはしないが。
 切符を買って列車に乗る。スイスでは、窓口で切符を買うときに、「列車の時刻表を貰えますか?」と聞くと、行き先までの乗り換えの列車や駅への到着予定を葉書位の紙に印刷して渡してくれる。これが便利で、それに従って乗り換えていけば目的地まで迷う事は無い。
 ツエルマットからグリンデルワルトまでは3回の乗換えがあり、14時9分着の予定であった。列車に乗って駅のホームを見ていると、僕たちの預けたスーツケースが運ばれてきて同じ列車の貨車に積み込まれる。でも、途中の乗り換え時間が4分とかいう所もあり、当然、荷物は人間より後の列車になるので現地には遅れてつくのだ。
 順調に乗り換えもこなし、車内でお昼代わりにパンをかじりながら緑の大地を眺める。2回目の乗り換えでは電車の出発が4分遅れた。この4分が後に1時間になる原因になるのである。(^^;
 車内放送はドイツ語のため、ほとんど聞き取れない。次の乗換駅インターラケーン・オストで、13:28到着予定である。やがて時計は13:28を指し、インターラケーンと書かれた駅に到着する。駅に降りると次に乗り換える列車のホームを探すため駅に張り出してある時刻表を確認すると・・・無い。次に乗る予定の列車が載っていない。それどころか、よく見るとインターラケーン・オスト行きの列車が載っている。えっ、と思って確認すると僕達が降りた駅はインターラケーン・ウエストだった。路線図で確認するとオストのひとつ手前の駅だった。出発時間が4分遅れたため、ひとつ手前の駅でオストへの到着時間になっていたのである。仕方が無いので次のオスト行きの列車を待つ。日本と違うのは、本数があまり無い事だ。次の列車は14:17。ほとんど1時間後である。駅に備え付けの時刻表を貰って確認すると、グリンデルワルト到着時間は15:09。ちょうど1時間遅れになってしまった。
 時間つぶしにウエストの駅前を覗きに行く。時計を持ってきていない息子に、スオッチの安い時計を買ってやり、駅に戻る。


 インターラケーン・ウエストの列車の表示板。上の時計が発車時刻を示し、下の赤が列車の名前、青が行き先を示す。すべて駅員さんが手で時計の針の調整、表示板の入れ替えを行う。
 左手下の方に見えている時計が現在時刻。ずれているのが分かるでしょうか?
 大きな駅は自動の掲示板があるが、小さな駅はこんな手動で、もっと小さな駅になると、この表示板自体が無い。


 遅れながらも何とかグリンデルワルトの駅に着く。左手の建物がグリンデルワルトの駅。普通の家みたいですが。駅の目の前に「日本語観光案内所」と矢印付きの看板がある。あちこちに日本語があふれている。まあ、日本人の一番人気とはいえ、やりすぎという気はしないでもない。


 これがグリンデルワルトの街並み。向こうに見えるのはアイガーだろうか。街に迫る山の迫力はツエルマットよりすごい。ただ、街のイメージとしては僕はツエルマットのほうが好きだ。というのは、ここ、グリンデルワルトはあまりにも都会に近い。人が多いせいもあり、ちょっと雑多な感じがする。
 まあ、ショッピングを楽しみたいならこっちの方がお勧めだが。
 でも、ツエルマットでもそうだが、観光地はやっぱり物が高い。息子がマイエンフェルトで悩んだすえ、角笛を買ったのだが、9.90SFだった。ところがツエルマットで同じものが19.90SF。まわった中で一番安い免税店でも14.60SFした。よくマイエンフェルトで買っておいたものである。


 スーツケースはまだ駅に着いていないので、そのままホテルに向かう。メイン通りに面した小さなホテルがグリンデルワルトでの宿泊地だ。親切そうな男の人がチェックイン手続きをして部屋に案内してくれる。一通りの説明を受けた後、その人に、「私たちの荷物を駅から運んでもらえますか?」と聞くと、「いいですよ。」と言ってくれた。ガイドブックにホテルの人に頼むといいと書いていたが、ちゃんと頼めるか、不安だったので、何とか通じて一安心である。荷物の受取書とチップとして5SF渡す。受取書を見たその人は、「多分、5時か6時過ぎですね。」と言ってくれた。今日中には届きそうだ。実際、日本語観光案内所で夕食のミルチケットを作ってもらってそのあたりを一回りしてから、5時ごろ部屋に帰って一休みしていると荷物を持って来てくれた。
 ただ、このホテル、電話が部屋に無い。ホテルのグランドフロア−にボックスになった公衆電話があるので、今回はネットへの接続はこの公衆電話からの挑戦になりそうだ。果たしてうまく行くだろうか・・・・。


 スイスの郷土料理、チーズフォンデュを食べようと思っていたのだが、ミルチケットを作ってもらうと、3人、一緒の料理が必要なのだが、息子がチーズはだめなので、いろいろ考えて肉を油で上げながら食べる物にした。(料理の名前は忘れてしまった。何とかフォンデュと言ったような気がするが・・・はっきりいって、高い。(^^; )
 サイコロ状の肉に串を差し油の中に入れる。ジューッという音がして肉が焼けていく。外が焼けすぎかなと思うくらいにしても油の温度が高いのとサイコロ状のため、芯のほうはまだ赤い。香ばしい外側を食べるとまだレア状態の中身が出てくる。肉もたっぷり出てくるし、レストランのサービスも非常に気持ちのいいもので、すこぶる満足な(豪華な)夕食になった。


 ホテルに帰った僕は、夕食の時に飲んだワインで酔ってしまっていた。たいした量では無いものの、やはり今日は緊張していたようである。そのままベッドにひっくり返ると、結局、次の日の朝の6時過ぎまで寝てしまった。(^^;



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