クライン・マッターホルン


 今日の天気は、雲が多く、マッターホルンも朝は顔を見せてくれなかった。今日はツエルマットでの観光につかえる最後の日だ。順繰りに標高をあげてきた僕達は、標高3882mの展望台がある、クライン・マッターホルンへ向かう事にした。テレビのインフォメーションを確認する。なんと、山頂の気温は−2℃、風速は28km/h(秒速7mくらいかな?)になっていた。ちなみに標高1600m程のここツエルマットは12℃だ。(^^)
 朝食を済ませるとクライン・マッターホルンへのゴンドラ乗り場へ向かう。スイスでも唯一、夏スキーの出来る場所である。ジーパンに半そでの下着のシャツ、半そでのポロシャツ、カメラ用のベストと言う、どこから見ても夏向きの格好をして、リュックの中にはここ、ツエルマットで買ったヤッケを入れて標高差2000m以上をあがることにする。


 小さなゴンドラから中間駅で2回の乗換えをしながら上に昇っていく。上空は雲がかかっていて、残念ながら景色は見えそうに無い。



 それでも眼下に広がる氷河には圧倒される。晴れていると日光に輝いてもっと綺麗らしいが。ガスがかかってきて見えにくいが、充分に堪能できるほど、氷河は大きく雄大だ。


 頂上駅の通路。この通路を抜けた所がスキーの出発点だ。標高は3820m。すでに富士山を越えている。



 通路を抜けた所。正直、スキーをしなくて良かったと思った。このガスの中でコースを間違えずに降りる自信は無い。間違ってイタリア側に降りたりしたらえらい事である。登山家の人達もいて、氷河の上を歩くため、クレパスに落ちないようにお互いをザイルでつないでいた。
 でも、本当はスキーをしたかったな〜。(^^)


 さあ、この写真はなんでしょう?
 実はさっきの所からさらにエレベーターであがった所に3882mの展望台への上がり口があるんです。ここでちょっと、馬鹿をやらかしたというか、息子にこの写真を撮らせたんですが、左に半そでで写っているのが僕です。気温は−2℃。手を離すと帽子が飛ばされてしまうような風の中、やせ我慢の証拠写真です。(^^) 写した息子は寒いからとエレベーターホールの中からこの写真を撮りました。


 天気はすごく悪かったが、もう2度とここには来ないだろうと思うと、もうひとつ、馬鹿をしようと、リュックに入れていたヤッケを着て(これが一枚で結構、暖かい。さすが本場のヤッケ。)、風吹き荒れる中、展望台に向かう。一応、息子もついてきたが、展望台につくなり引き返してしまった。せっかく来たから証拠写真は撮らなくてはと一眼レフで立ててある十字架を撮り、その後、ヤッケの下のベストからデジカメを取り出してこの写真を撮る。
 しかし、デジカメをポケットにしまおうとするが、すでに手が言う事を聞かなかった。とりあえず肩にかけてゆっくりと階段を下りる。かなり高所に慣れてきたとはいえ、寒さと薄い空気の中、息が苦しい。さっさと降りる事が出来ないのだ。エレベーターホールに入るとホッと一息である。
 ちなみにこの後、このエレベーターに通じる通路は、係の人がチェーンで通行止めにしてしまった。(^^;

 スキーの出発口にある喫茶店でコーヒーを頼んで暖を取る。でも、日本のスキー場で見かけるような暖房器具は無く、人のぬくもりが唯一の暖房器具である。でも、充分に暖かい。僕はまたヤッケをリュックにしまい、長袖にジャンバー等を着込んでいる人達の中、一人、半袖で過ごしていた。でも、外にさえ出なければ、寒くは無いんです。


 ツエルマットでの滞在予定も今夜が最後。明日からの宿泊地であるグリンデルワルトまでは電車で5時間ほどらしい。荷物を詰めると息子とサウナに行く。息子と合流してはや2週間。これだけ息子とべったりいるのは息子が生まれてから始めての事である。夏休みの宿題を見てやったりしながら、時には怒ったり、甘い顔を見せたり。旅行の前よりお互いの事が理解できるようになるといいのだが。
 さて、日本人には一番人気と言われるグリンデルワルト。どんな所か、楽しみである。



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