帰 国

 6時半に目を覚ますと身支度を整え、お義父さんに連絡をして食堂に行き、最後の朝食を取る。部屋に帰り、ゴミを机の下にあるゴミ箱の回りに集める。ちょっと、常識より多いかなと思ったので、2ユーロコインを机の上に置く。上着や手荷物を持ち、セーフティーボックスやソファーの上など、忘れ物が無いか、確認をして部屋を出る。反対側からスーツケースを押してくるお義父さんと合流してエレベーターへ。レストランのある0階へ降り、そこからエレベーターを乗り換え、フロントのある−1階へ。部屋の冷蔵庫からコーラー1本を申告し、レストランでの夕食と合わせて135ユーロ程をJCBカードで切る。パリを離れてJCBが使えたのはこのホテルだけである。(^^;
 支払いを済ませると、横にいたコンシェルジュが「もう少し待って。タクシーは8時に来るから。」と言ってくれた。スーツケースをエントランスの端に寄せ、しばし待つ。しかし、このホテル、駐車場はあるのだが、車付けは無く、玄関前の道は車一台が通る幅しか無い。ドライブガイドのOさんもホテルの正面に着けられなくて苦労していた。
 まもなくタクシーが到着すると、コンシェルジュが知らせてくれた。スーツケースを転がしながら玄関を出て行くと、タクシーは道幅にお構いなく正面の道に停まった。他の車が来たら通れない。しかし、このタクシーに限った事では無く、後ろに来た車はせかす事無く、待っている状況を何度も見て来ているので、それ程驚く事も無く、ドライバーとコンシェルジュがスーツケースを積むのを見ていた。
 乗車前にコンシェルジュに「サンキュー」と言って2ユーロを手渡す。コンシェルジュも「Thank you!」と言って、一杯の笑顔を返してくれた。



 ドライバーは行き先を確認すると、一路、マルセイユ空港へと車を走らせる。渋滞もしていないから、30分くらいかなと思い、メーターを眺める。30ユーロを超えたので、もう半分くらいだなと思いながら、窓の外の風景を楽しむ。やがて右手に大きな建物が見えてくると、これまた車一台しか通る幅の無い、多分、降車用の歩道の先端、信号の手前で車が停まる。57ユーロちょっとだった。ドライバーに50ユーロ札2枚を渡すと、少し困ったような顔をして、「10ユーロは無いか?」と聞いてきた。私は、60ユーロくらいと聞いていたので、万一、渋滞などがあったりして余分に必要になっても困らないよう、タクシー代として50ユーロ札2枚を用意していて、他の札は昨日、使用してしまっていた。ドライバーへのチップと空港で使用する分はお釣りで足りるだろうと思っていたので、お札はもう無い。毎日、エクセルで残金を計算していたので、コインでも10ユーロ無い事は知っていた。お義父さんから貰った残りのコインを合わせ、タクシーの助手席にコインを並べる。1ユーロコインが3枚、50セントが5枚、20セントが1枚、10セントが・・・・「OK!」と、全部を数えきる前にドライバーが言い、運転席を降りるとスーツケースを降ろしてくれた。多分、ギリギリ57ユーロあるかなしか、どっちかというと、若干、足りないくらいだと思う。ドライバーには申し訳ない事をした。 





 とうとう、帰国の途に着くことになりました。昨夜、スーツケースが閉まるのかと荷物の整理整頓をしました。何とか、収まったのですが、石鹸や塩を買い込んだ分、しっかり私の荷物は重くなっています。やってきたタクシーは大きなバンで運転席の後ろは向かい合わせで6人は座れる広いシートでした。
 マルセイユ空港でに到着したのは、やや早すぎて搭乗手続きまでに少し待ちました。でも、一番にカウンターに並んだせいか、パリまでの国内便も関空までの国際便も、三人が並びの席を取って貰いました。ペットボトルのお水は、開けていないのを三本も没収されました。昨夜、重たいのに買ってしまいホテルまで運んだものです・・アホやわ(T_T・・)とにかく大阪人はケチなので、食べれなかったサンドイッチまでしっかり手荷物に入っています。


 マルセイユ空港の搭乗ゲートは手荷物カウンターの裏にあった。手荷物を預けると、隣の手荷物カウンターとの間を通り抜けて手荷物検査場に入っていく。そしてそのまま搭乗ゲートへ。中にあるお店は小さな土産物屋とカフェ。まさに売店である。なので、ここで買い物をしたい方は、搭乗ゲートに入る前に済ませるのがお勧め。尚、ここの売店にはペットボトル飲料が売ってあり、「世界中の飛行機に持ち込み可」といったような英語の説明があった。
 時間になって搭乗が始まる。いよいよマルセイユともお別れ、パリ経由で日本へと向かう。

 パリのシャルルドゴール空港で出国審査を受ける。検査官のブースは2つがひとつになっており、そのブースの両側を通って出国する。しかし、私の審査をしたのは女性の検査官だが、私のパスポートを受け取る時だけこちらを見て、後は隣の検査官と笑顔で話をしながら、チラ見でパスポートのページを開き、殆ど手探りで出国印を押すと、こちらを見ずにパスポートを返してきた。まあ、確かに何も無いですが、いいんでしょうかね〜。(^^;

 シャルルドゴール空港はさすがにフランスの国際空港。搭乗ゲート前にはブランド品の店が並ぶ。連れ合いが、妹と姪に有ったらと頼まれていたバッグのブランドを探す。程なく見つかり、お義父さんが「カードで払っといてくれるか。」と言うと、店員さんが「円でもいいですよ。」と言ってきたので、それで払う事になった。多分レートは高いだろうな・・・と思っていたが、計算してみると1ユーロ170円。思っていたよりもっと高かった。(*o*)

 搭乗口に向かう。さすがにここまで来ると回りは日本人だらけであった。13時35分発だが、搭乗開始は12時45分で、早いなと思っていたが、搭乗が始まってわかった。この便、沖止めだったのだ。搭乗口からバスに乗り飛行機に向かう。しかし、シャルルドゴール空港は広かった。そこそこ走って、飛行機の横に着く。前のバスから順番に乗客を降ろしていく。タラップを登り、席に着く。座席は翼の上の前の方だったので、翼の前の景色は見る事が出来た。

 やがて飛行機は速度を上げて、一路、関空を目指して飛び立った。


 来た時のプレミアムエコノミーと違い、足下は狭く、フットレストも無かったが、普通にリクライニングが出来たので、私としてはこちらの方が楽だった。しかし、眠る事は出来ず、結局、「ルパン ザ サード」と「ダイヤルMを回せ」の2本の映画を見て過ごした。
 最初の到着予定は日本時間午前9時20分だったが、離陸直後から到着予定時刻は8時52分を境に2分くらいの間を前後していた。関空にタッチダウンをしたのは8時55分頃、ターミナルについたのは9時5分頃で、予定より15分程度、早く到着した。お義父さんが予約していた帰りの高速バスが10時06分だったので、間に合うか心配していたのだが、到着が早くなったおかげで十分、余裕が出来た。

 入国審査場に着くと、なんと、自動入国審査機なるものがあり、大勢の人がその前に並び、パスポートのバーコードをかざしている。連れ合いも並びに行って挑戦。しかし、程なくみんな、隣の、人がいる窓口へと並び直した。機械の横に説明書きがあったが、それによると、関空の出発フロアのどこかに、出国時に指紋などを登録するコーナーがあるようで、そこで手続きをしておくと、帰りはここでパスポートと指紋認証で入国審査が出来るようだ。しかし、こんな所に書かれていても、次に海外に行くのはいつの事やら。もしかしたらこれが最後かも知れないのに・・・。何考えてるんだろうと思った。どう考えても、この看板は出国フロアの手荷物検査に並ぶ所に出しておくべきだろう。出発前に駐車場の事を調べるのに、何度か関空のウエブサイトにアクセスしたが、そんなPRも見た事が無い。あまりにもPR不足では無いだろうか。

 まあ、いつも通り、何も無い入国審査が終わり、バゲージルームでスーツケースを受け取り、税関へ向かう。今回は申告の有無にかかわらず、申告書が必要との事で、飛行機の中で書いた申告書とパスポートを渡す。で、そのまま素通り・・・・。

 お義父さんをバス乗り場まで送り、空港の駐車場へ。記憶にある駐車場所に行くと・・・???車が・・・無い!正月早々、焦った。キーに着いている施錠ボタンを押すが、返事をしてくれる車も無い。ボタンを押しながら辺りをうろついて探すが、見つからない。連れ合いが、「階が違うのと違うの。」と言ったが、この階で自信があった。もう一回りして、やっぱり無いので、一つ下の階に降りてみると・・・あった・・・。どうも、段々と記憶が当てにならなくなってきている。やばいな〜。

 取りあえず車を見つけて一安心。スーツケースを詰め込むと、寝不足の目をこすりながら車を発進させた。

 

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