パ リ へ

 関空での集合時間は午前7時40分。20分前に車を預ける予約をして、家から関空まで1時間20分と見ると、家を出る時間は午前6時となった。軽く朝食を済ませ、後部座席に二つのスーツケースを積むと、いよいよ出発だ。
 年始の休み明けではあるが、早朝であるため、道路は空いている。吹田ICから近畿自動車道に乗り、快調に関空を目指す。ゲートタワーを横目に見ながら、値下げをされた関空連絡橋を渡り、7時15分に業者指定の場所へ到着した。予約をした日空サービスは「黄色の帽子」が目印であったが、見あたらない。声をかけてきた若い男の子は、腰に黄色い帽子をぶら下げていた。「係のものがすぐに降りてきますから。」と言われ、道の端に車を寄せる。黄色の帽子をかぶった係の人が何人か降りてきたが、次々入ってくる車をさばくのに忙しく、なかなかきそうになかったので、近くの人に言いに行くと、すぐに確認してくれた。5日間の駐車料金、9,000円を支払う。ここで荷物を下ろして出発ロビーに移動している人も多かったが、日空サービスは、4階の出発ロビーまで送ってくれる。荷物を積み替え、日空サービスのバンに乗り込むと、程なく出発ロビーへ。

 指定された南ターミナルの団体受付に行く。男の人が、86番の窓口を案内してくれる。10人程度の行列が出来ていたので、連れ合いと交代でトイレに行く事にした。受付をしている女性の横で、貫禄のある体型をした女性がスーツケースを転がしながら、カウンターの中に入っていたので、(この人が添乗員のKさんかな)と思いながら見ていた。連れ合いが電話で話した感じでは、もっと若い感じだったのだが。
 順番が来て、受付をしている女性に名前を言う。「Kです。よろしくお願いします。」との返事。この人なら連れ合いから聞いたイメージにあう。いや、別にあの貫禄のある女性が嫌だと言っている訳ではないんですが・・・。eチケットの控え、観光案内時に使用する受信機、注意事項等を書いたペーパーを受け取る。搭乗手続きをして、8時10分にJCBの看板の下に集合してくれとの事。

 トイレから帰ってきた連れ合いが、「あの(貫禄のある)女性がKさんだった?」と聞く。やっぱり気になっていたようだ。教えられた大韓航空のカウンターに向かうと大変な人の列だった。「これは8時10分には無理だな」といいつつ、順番を待つ。右手から2番目のカウンターが空き、一緒のツアーの人が手招きで呼んでくれた。2つのスーツケースを秤に乗せると、36kgの表示が。「おみやげは4キロまでやね。」と連れ合いが笑う。
 5分ほど遅れて指定されたJCBの看板の下へ。「集団行動、頑張ろうね。」と連れ合い。Kさんが、仁川空港までの各自の座席番号を確認し、仁川空港からパリ-ドゴール空港までの航空券とクレームタグを集める。各自で出国をし、9時10分に出発ゲートへとの事。(ゲートNo.は忘れたが、北ウイング先端駅の最先端右のゲートだった。)
 「両替は、観光した先々でお土産を買われるつもりなら1日5千円程度、その他にタクシーに乗ったり、カフェで飲食をしたりといったもので、1日5千円程度が目安です。」との説明があった。本当に至れり付くせりである。日光サービスから、泉州銀行の両替優待券のような物を貰っていたが、1ユーロあたり60銭で、それ程メリットもないし、4階出発ロビーではなく、1階の到着ロビーまで降りなくてはならなかったため、目の前の銀行で両替をした。3万円を出すと、さっと計算し、「30041円を出していただければ、220ユーロ、お渡しできるのですが。」と言われたので、41円を渡す。使いやすいようにと20ユーロ札から5ユーロ札まで取り混ぜて両替してくれた。隣の窓口では50ユーロ札が1枚入っていたようなので、もう少し沢山両替をしていたのだろう。

 いつものように荷物からパソコンを取り出し、時計等の金属物は上着に入れ、ベルトを外してトレーに入れる。手荷物検査が済むと、出国へ。出国ゲートを通り抜けた頃にはすでに8時50分。まあ、特に免税店を覗く気もなかったので、そのままシャトルで先端駅へ。いつもの通り、コーヒーを買うと、しばし、椅子に座る。
 程なく搭乗が始まり、機内へ。ある程度、機内が落ち着いてきた頃、添乗員のKさんがチェックをしにきた。搭乗時は全部チェックするようである。

 予定より5分ほど遅れてプッシュバックが始まり、飛行機は仁川空港へ向かって飛び立った。順調に・・・このあたりまでは・・・。

 着陸が迫ってくると、仁川空港の情報がアナウンスされた。「・・・天候は雪 気温はマイナス9度(7度だったかな?)・・・」なかなかのお天気である。しかし、この雪がくせ者であった。
 着陸した滑走路からの景色は、うっすらながら、一面の雪景色である。飛行機を降りた所で添乗員さんが全員そろっている事を確認して、乗り換えのゲートへ全員で移動する。

 



 乗ってきた飛行機。ごらんの通り、空港は、滑走路以外は除雪が出来ていない。


 乗り換えゲートへの移動途中、再度、手荷物検査があり、エスカレーターを昇る。インフォメーションで添乗員さんが、ゲートNo.が変更されていないか、確認してきた。当初12番の予定が19番ゲートに変更になっており、ゲートのあるウイングの入り口まで全員で移動すると、「13時30分にゲートに集合して搭乗してください。」との事で、解散となった。残り時間は1時間少々。連れ合いが韓国料理が好きなので、フードコートを覗きに行くことにした。


 楽しそうにメニューを眺める連れ合い。
 しかし、機内食も食べており、帰りにはトランジットに3時間以上あるので、今回は別の所に行くことにした。


 


 搭乗ゲート近くの喫茶コーナーのような所で、うどんとコーヒー、水2本を頼む。しかし、出てきたのはうどんとコーヒーが2杯。英語なので、うまく伝わらなかったようだ。再度、「アッ カップ オブ コーヒー アンド ツー ボトルズ オブ ウオーター」と言うと、「Sorry・・・」と言って、コーヒーを一つ引っ込め、エビアンを2本、出してくる。差額を精算し、お盆を持とうとすると、「Service・・」と言って、引っ込めたコーヒーをお盆に乗せてくれた。
 面白かったのは、タクアンがついていた事。周りを見ると、韓国人と思わしき人にはキムチを付けて出している。韓国のキムチと日本のタクアンはちょっと違うのだが・・・。

 ユーロ札を使用して小銭を得たかったのだが、使えるのはウォン、USドル、日本円だけだった。



 まだ13時過ぎであったが、19番ゲートに移動する事にした。ゲートに付くと、かなりの人がすでに待っていた。13時20分頃、放送が入る。英語の放送の後、日本語での放送。「雪の為、出発が遅れています・・・」14時00分出発予定だが、遅れるとの事。
 実は、出発が遅れる事は予想が付いていた。こちらに移動する前に、再度、ゲートが変更されていないか、確認したのだが、その時にまだ11時台の飛行機が<遅延>マークが付いたまま、離陸していなかったからだ。ざっと、2時間以上、遅れていた。
 しかし、しばらく待っていると、14時頃から搭乗が始まった。最低2時間は覚悟していた僕としては意外だった。
 座席は真ん中の4席の真ん中2つ。少々窮屈な感じだ。着席してしばらくすると、連れ合い側の外人さんが、携帯電話の電源の切り方を連れ合いに聞いてきた。連れ合いは電源ボタンを長押しして電源を落とす。「どこかのガイドさんかな(あちこちの席の人に話しかけていたらしい)。」という連れ合いに、「まさか、携帯電話の電源の切り方も知らようなガイドはおらんやろ。」さてさて、真実はいかに・・・・。

 14時30分には席について離陸を待つ。しかし、なかなかプッシュバックが始まらない。30分経っても動かない。1時間近く経って、ようやくプッシュバックが始まったが、今度はタクシーが始まらない。ようやく動き出したと思ってもちょっと進んでは止まる。やがてキャビンアテンダントの人たちがドリンクのサービスを始めた。まだまだ飛びそうも無かった。中には、キャビンアテンダントを呼びつけ、「どんだけ待たすんや!何時になるかぐらい、説明せい!」と怒鳴りつける人もいた。何時になるか、今、一番知りたいのはパイロットだろうな〜と思いながら、キャビンアテンダントに同情する。どう見たって、雪のせいだ。僕はあのように怒鳴りつけるのは好きではない。何の解決にもならないし、単に本人の感情の発散で、周囲に嫌な雰囲気を作るだけであるから。

 やがて機長からのアナウンスが入る。「ただいま、凍り付いた所をはがしております。作業が終わりましたら、離陸いたします。」すでに搭乗してから2時間近く経っていた。「かなり到着が遅れるかな。」と連れ合いが心配する。予定では現地時間18:05着である。「途中の混み具合にもよるけど、取り返せても1時間やろ。」と答える。
 ようやく動き出し、滑走路に入る。一気に加速をして離陸、時間はすでに16時30分を過ぎていた。結局、最初に思っていた通り、2時間以上の遅れとなった。しかし、搭乗してから2時間半も待つとは思わなかったので、これはかなり疲れた。僕は体が硬いため、背もたれがまっすぐ立ったままでは座っているだけでしんどい。安定飛行に入り、機内食のサービスが終わるまで4時間以上、そのままだったので、正直、参った。

 ようやくリクライニングを倒す事が出来てやれやれとなった頃には、逆に眠れなくなってしまっていた。幸いにして機体は新しく、エコノミーでも各座席でそれぞれ、映画をチョイスして観る事が出来たので、プログラムを見る。日本語でやっている映画を探す。西田敏行主演の、「火天の城」があったので、観る事にした。

 1本見終わっても、まだ眠たくならない。次はと探すと、ハリーポッターシリーズの「謎のプリンセス」があったので、続けて観だした。しかし、今度は途中でウトウトして、ふと気がつくと、間が分からなくなって、逆に巻き戻してはまた観るといった事をしながら観ていた。眠くなったのだから、寝てしまえばいいのだが、途中まで観ると後が気になって、観ないと済まなくなってしまうという・・・。

 現地の到着予定時間は、予定より2時間15分遅れの20時50分予定になっていたが、その2時間半くらい前に、暗くなっていた機内が明るくなった。
 程なく、機内食のサービスが始まった。「機内食、済んでから、また暗くなるんかな。」の連れ合いの問いに、「2時間くらいの話やから、消えへんやろ。」と答える。しかし、実際には片付けが終わると機内はまた暗くなった。どうも中途半端である。もう1時間くらい機内食を遅らせて、起こしておけばいいのにと思う。

 飛行状況の表示が刻一刻とドゴール空港への接近を知らせている。着陸まで残り20分くらいになった頃、どうも周りが気になった。キャビンアテンダントはメモを手に、あちこちの乗客と話をしては前に戻り、また客席に戻り・・・いっこうに着陸の準備をしない。連れ合いの隣の外人さんは、頭の上のトランクから自分のバッゲージを取り出し、足と前の座席の間に積む。同じように、着陸したらいち早く降りようと思うのだろう、何人かの人が荷物を下ろして膝の上に乗せたり前の隙間に置いたり。しかし、キャビンアテンダントは全く注意をせずにまだ忙しそうにあちこちの席の人と話をしている。正直、唖然とした。
 推測だが、飛行機が遅れているので、パリでの乗り継ぎの情報連絡等に忙しいのだろうと思うが、ちょっとな〜という感じだ。確かに、滅多な事はないが、何かあった時には、このバッゲージは凶器になる。そのために離着陸前にはすべて確認するはずである。着陸2分前になっても、まだ機内は落ち着かない。前にタイ航空に乗った時も同じようになかなかキャビンアテンダントが座らなかったが、少なくとも乗客は全員座っていて、機内はもっと落ち着いていた。着陸ギリギリになり、ようやくキャビンアテンダントが座った。

 20時51分、機体はパリ、シャルルドゴール空港へ着陸した。

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