出発


 正直、今回ほど出発前の荷造りをいい加減にした事は無い。情報は不必要なほど集めたが、準備をするにあたって、結局、何も参考にしなかった。タイ北部へのトレッキングを申し込んだNap Tourのサイトにある「トレッキングの持ち物」さえチェックしなかった。

 例によって国際免許を準備し、トレッキングに行くからと着替えをよけい目に詰め、パソコンとデジカメを入れる。しかし、今回は一眼レフのカメラは持っていかない事にした。

12月8日

 朝6時25分、予約をしたタクシーが迎えに来る。連れ合いと子どもに見送られてタクシーに乗り込み、伊丹空港へ。飛行機の出発は8時00分だが、手続き関係がわからない為、早めに空港へ到着したかった。ANAの国際線乗り継ぎのカウンターへ行き、予約番号を伝えてチケットを渡す。チケットの空欄へ手書きのシールが貼られていく。「成田ではすぐに出国ゲートへ向かって下さい。」と言われてチケットを受け取る。乗り換え時間があまり無い為だ。
 例によってJCBカードを見せてラウンジで時間までコーヒーを飲む事にした。朝は小さなパンもサービスで置いてあるので、これと野菜ジュース、そしてコーヒーを飲んで一休み。7時20分、早めに手荷物検査へと向かう。手荷物検査は空いており、7時30分には搭乗ゲートについていた。
 売店でコーヒーとサンドイッチを買い、初めてのEdyでの支払い。小銭を扱う必要が無いので、確かに便利である。
 程なく搭乗が始まり、8時00分、定刻に飛行機が動き始め、一路成田へ。翼の上とはいえ、窓際の席で外の景色を眺めながら、様々な忘れ物を思い出していた。成田ではすぐに出国検査へと言われていたものの、大急ぎで済ませなくてはならない事がいくつかあった。
 9時5分、成田へ着陸する。バンコク行きの出発時刻は10時45分。出国検査が混んでいなければそれ程急ぐ必要はない。
 国内線の到着ロビーに出るとすぐに国際線の出発ロビーへと向かう。目指すは国際線出発ロビーの真ん中にあるインフォメーションである。休暇中に締め切りになってしまう社内の手続きを済ますのを忘れていた為、職場の後輩に、「郵便で送るから、後、頼む。」と言ってきている。そう、郵便を出さなくてはならないが、成田空港のどこから郵便を出せるか、聞く為である。出発ロビーの真ん中目指して急ぎ足で歩いていると、左側に「成田国際空港郵便局」の文字が。インフォメーションに着く前に見つかった。ここで職場の後輩宛の速達を出す。大阪市内に出す速達を伊丹空港から成田空港まで持ってきて出すという、何とも無駄な事だとは思うが、伊丹空港では出す事が出来なかったから仕方がない。
 郵便を出し終わると出国ゲートを横目に階段を上がり、ANAのショップへ。前に現地用の時計を買った所である。ここで機内用の目隠し、耳栓、現地で使用する財布に眼鏡拭きを買う。財布は地球の歩き方推薦の物を購入した。ここでもEdyを使用する。カードリーダーにEdyカードを当てて、「シャリーン」と音がしたら、レジに引き出した金額と残金が表示された。
 ビニール袋をぶら下げたまま出国ゲートへ向かう。10分ほどで出国し、搭乗ゲートへ。時間は10時00分。充分間に合った。ここで忘れてきた洗面用具とカロリーメートを2箱、生茶を買う。何故カロリーメートを買ったかは、また後ほど。飛行機の中で読む用のパソコン雑誌を買い、しばし待機。やがて搭乗手続きが始まり、沖留めの飛行機に乗る為、バスへ乗車。B席だったので、左側3列の真ん中を覚悟していたが、飛行機に乗り込むと一回り小さいボーイング766、座席は2−3−2の1列7席、Bは通路側であった。ほっとして、窓際の人が来るまでシートベルトはせずに雑誌を読んでいると、飛行機が動き出した。えっと思ったが、周りを見ると、いくつか空席が。窓際は空いているようだ。それなら窓際にしてくれたら良かったのにと思ったが、ふと思って後ろを見ると、やっぱり後ろの列も一つ空いており、窓際に座っていた。そう、リクライニングを倒すのに気を遣わなくてすむようになっているようだ。

 快晴の空に向かい、飛行機は一路、バンコクを目指して離陸した。



NEXT

トップへ