最終日


 帰国は明日なので、正確には最終日は明日である。しかし、昼過ぎに集合なので、実質的にロンドンをうろうろ出来るのは今日が最後だ。
 取りあえず会社等に持っていくお土産を何も買っていないので、それを買いに行く事にした。もうおなじみになったピカデリーサーカスに行く。何せここからボンドストリートあたりに向けてガイドブックに載っているお店が目白押しだからだ。
 小雨降る中、店を覗きながら歩いていく。


 こっちの人は本当に傘をささない。来る前は、「ロンドンは小雨しか降らないのでほとんどの人は傘をささない。」と聞いていたので僕も持ってこなかった。しかし実際は何のその。小雨とはいえ、結構濡れる程降っていてもささない。写真で何人かさしているが、結構、降っているのであるが、たいていの人はさしていない。帰りにANAハローツアーのFさんがバスの中で言っていたが、傘をさすのは縁起が悪いと言われるそうだ。


 しかし、並ぶショップはブランド品だったりでお土産にするような物でもない。(もちろん、お金持ちはお土産にするんでしょうけども。)
 で、オックスフォード・サーカスに向けて歩いていると見つけたのがJALの免税店。こういうお店の方が日本向けのお土産が揃っているかと思って入りかけてやめた。JALの店でANAカードを使用するのもどうかと思ったもので。(^^;
 で、結局、ピカデリーまで戻り、半日観光の後に案内された三越に買いに行く事にした。適当に見繕ってレジに行くと、「パスポートかコピーでもお持ちですか?」と言って、その場で免税の書類を作ってくれた。紅茶とクッキー以外は手荷物にして下さいと教えてくれ、なかなか親切である。(紅茶とクッキーは日常必需品という事で消費税がかかっていないそうな。)
 一旦、ホテルに荷物を置きに帰る。時間は2時頃。パソコンの設定をお願いしたita-netのHさんがテイト美術館を推薦してくれていたのだが、ちょっと時間が足りないかな〜と思いながら、結局、行くのをあきらめた。地下鉄に乗り、「ノッティングヒルの恋人」の舞台、ノッティングヒルに向かう。お目当ては青いドアの・・・では無く、あの映画の中で出てくる共同の庭が外からでも見る事が出来たらと思ったからだ。ノッティングヒルゲート駅についてガイドブックを見ながら北の方へはいる。この町はアンティークのショップが沢山ある。アメリカのスノーホーミッシュで見たファーストストリートを思い出した。


 アンティークショップの一つ。分かるでしょうか?そう、日本画のお店でした。結構人気があるのか、中にもお客さんがいましたし、写真の女の子も電話で絵を見ながらしばらく話をしてそのまま入っていきました。




 ノッティングヒルの住宅地を歩く。しかし、思っているような場所は無く、アパートが建ち並ぶ。結構、広い範囲だし・・・・・結局、やめて地下鉄に向かった。実は、ずっと行こうかどうしようかと悩んでいた所がある。時間から見て行くのならそろそろ限界の時間。未練を残しても仕方がないので思い切って行く事にした。ノッティングヒルゲートからセントラルラインに乗り、バンクで乗り換え、ロンドンブリッジの駅へ。お目当てはここから歩いて5分。


 ここがそのお目当て、ヴィノポリス。実はワインのミュージアムである。入場料は11.5ポンドするのだが、5杯のテイスティング付きだ。



 何故迷っていたかはこの旅行記を初めから読まれている方はおわかりのはず。テイスティングとはいえ、5杯も飲めばグラス1杯くらいにはなる。レストラン、ウインドウズの出来事が僕に二の足を踏ませていた。
 中に入り、チケットを買う。オーディオガイドは英語しかありません、5杯のテイスティングが中で出来ます、等の説明を受けて入る。オーディオガイドはどうせ分からないだろうから借りずに進もうと思ったのだが、展示場に入るとやっぱり欲しくなり、結局、借りた。正直、よく分からないが、結構、飽きずに聞いていたりした。「右の写真を見て下さい。」「正面の小さなスクリーンを・・」「次の部屋へ・・」等、断片的には聞き取れた。
 中は世界中のワインの産地が順番に紹介されていた。オーストラリアに行った時に立ち寄ったハンターバレーも出てきた。
 テイスティングは一カ所でも出来るが、順番に進んでいくと、紹介された地方のワインがそのコーナーを出た所で置いてあるといった感じで、なかなかうまく考えられている。テイスティングするワインは、そこに並べられているうちから自分で選ぶ。「甘いやつ」「ハードなもの」とか言えば、それなりに選んでくれる。でも、赤ワインは圧倒的にフルボディーが多かった。途中のカウンターで「全部フルボディー?」と聞くと「Of course!」と返ってくる。
 オーストラリアのワインの所で、係りの男性が「ここに並んでいるのは、スペシャルだ。チケットでは飲めないが、普段6ポンドで出しているのを、今日は2ポンドで提供している。もちろん、あちらに並んでいるのをそのチケットで飲んでもいいが、これはお勧めだ。」と4本のワインを勧めてくれた。一番古いのは1996年物である。僕は素直に聞く事にして、「どれが一番お勧め?」と聞くと、「どれでも。全部、素晴らしい!」とゼスチャーたっぷりに教えてくれた。僕はその1996年物を選んで飲ませて貰ったが、すごく落ち着いたおいしさだ。


 これがそのワイン。帰りに空港で買おうとデジカメに納めた。僕がデジカメでこれを撮っていると、係りの人たちの目の色が変わり、「見せてくれ!」とデジカメを覗いていた。「いくらする?」との問いに一生懸命、頭の中でポンドに換算して答えた。しばし、ワインがとんでデジカメの話になってしまった。




 結局、5杯のテイスティングをして、一杯はチケットを使わなかったので残ったが、もう一杯はちょっとやばいかなと思ってやめた。何せ顔はもう赤い。(^^;
 でも、やっぱり来てよかったと思った。倒れる事もなく、地下鉄に乗り、ホテルに向かう。



 ちなみにロンドンの地下鉄は吊り輪はありません。小さい車両はバーがあるだけ。大きめの車両はごらんの通り。
 吊り玉とでも申しましょうか・・・。



 ホテルに荷物を置いた僕は夕食を食べに表に出る。ロンドン最後の夕食の場所は決めていた。それは前にフィッシュアンドチップスをテイクアウトした店だ。あの時、店の中で食べるメニューがおいしそうだったのと、店をやっている人がすごく親切だったから。お店にはいるとメニューを見上げる。「ご注文は?」に「ちょっと、メニューを読ませて。」と言うと、にっこりして「OK。」と答えが返る。しかし何せ英語である。僕が読むのは時間がかかる。しばらくして、「OK・・・」と言いながら、物を差しながらメニューの説明をしてくれた。僕が「サラダが欲しい」と言うとそれも入れたメニューを教えてくれた。


 奥で回っている肉は左がチキンで右がラム。ものすごくおいしそうだ。いつもなら日本であまり食べられないラムを頼むのだが、今回はあまりにチキンがおいしそうだったのでチキンを頼んだ。
 チキンの固まりに包丁を入れ、そぎ落とすようにして盛っていく。





 やがて出てきたのがこの一皿。チキンがたっぷり入っていて、すごくおいしかったです。
 でも、やっぱり量は多かった。



 ホテルに帰るとネットにつないでサイトにアップする準備をする。やっぱりネットにつなぐ事が出来てよかった。会社から返信のいるメールも入っていた事だし(大した用事じゃ無かったので、何とでもなっただろうけど)。他にも返信をしておいた方がいいメールが3通ほどあり、助かった。
 最終的にはAOLでの接続も成功したのだが、それもita-netのHさんが教えてくれたロンドンでの通信に使われる電話番号の情報があっての話であった。

 荷造りは朝からでもゆっくり出来るので、ひととおりの用事が終わると、ベッドへと横になった。


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