オルセー美術館〜オランジェリー美術館〜シャンゼリゼ通り


 残念なことにあまり眠れないまま、朝を迎えました。それでもまぁ調子はよいようで、お腹が空いて早く朝食にありつきたい感じ。父も眠れなくて、ちょっと不安でどきどきしていたみたいで、これが時差ぼけやでと教えてあげると、自分だけではなかったんやと安心していました。

 

 朝食は結構豪華な品揃えでした。私たちが一番乗りで、サラダや生ハム、スクランブルエッグ、ソーセージ、フルーツ、様々なパン、シリアル、飲み物の棚に目を見張りながらいただきました。




お世話をしてくれるおばさんがやってきて、コーヒー、紅茶もオーケーで、ジュースなどを入れるタンブラーが赤やピンクのすてきなガラス製でした。正直欲しくなりました。 パンが大好きな父が一番沢山食べていました。




 朝食が終わると、まだ早いかなと言いながらホテルを出発。オルセー美術館を目指して歩き始めました。途中の建物や噴水などをカメラに納めながらぶらぶらと歩き、ルーブルやカルーゼル橋からの眺めも堪能して、オルセーへ。まだ15分ほど前なのに、しっかり行列が出来ていました。オランジェリー美術館との共通パスは16ユーロでした。

 残念ながら美術館内は撮影禁止なので写真を撮ることができないせいもあって、今回はじっくりと鑑賞しました。連れあいの大好きなアングルの「泉」、ビーナス誕生、数々の彫刻類、そしてゴッホ、もちろん前に来た時には見られなかった印象派が並ぶ5階は念入りに見ました。父は、さすがに足が痛くなって休み休みになりました。階段が多すぎて、膝が耐えられなかったみたいです。

 前回と比べると、一部の配置が変わっていた。入り口からまっすぐ延びた通路から見えていたアングルの「泉」は、小部屋に入らないと見えない左手の壁へ。波の上にビーナスが横たわり、上に5人の天使が飛んでいるカバネルの「ヴィーナスの誕生」の反対側にあった断頭の絵は別の小部屋に移され、代わりにブーグローの「ヴィーナスの誕生」が向かい合うように置かれている。
 改装の終わった5階には印象派の絵が並べられ、見たかったカイユポットの「床を削る三人の大工」の絵も観る事が出来た。改装時に印象派の一部の絵画が置かれていた2階にはモロー等の絵が帰ってきており、今まで知らなかったモローの絵も観る事が出来、充実した時間を過ごす事が出来た。一つ、不満だったのは、前回はOKだった写真が撮れなかった事。至る所に「撮影禁止」のマークがあり、知りませんでしたでは済まないくらい、表示されていた。著作権と勘違いされる人もいると思うが、これは、写真を撮る人のマナーの悪さが招いた結果である。平気でストロボを焚く人がおり、これは絵画を傷める。絵の勉強をする為に模写をしている人を邪魔者扱いにして写真を撮ろうとする等、オルセーでは過去から問題になっていたようで、改装を機に、全面撮影禁止になったという訳である。今でもルーブル美術館は撮影可だと思うが、時間の問題かも知れない。

 昼食は、2階のレストランへ行きました。前回も、上品な料理と豪華な店内の装飾がとても良かったから、とても楽しみにしていました。何故か開店時間が過ぎても必要以上に待たされましたが、店内に案内されて、32ユーロのランチコースと、私は単品の本日のランチを注文しました。どんなお料理が出てくるか、注文をした後も海外ではどきどきです。




 ハーフボトルの赤ワインを楽しんでいる内に、スターターのチキンサラダとマッシュルームのスープがやってきました。どちらも、横取りししつつ、マッシュルームの味がしっかりしているスープにパンを浸して味わいました。そのあと、連れ合いのメインはサーモンのシチューで「これはうまいわ」と感激しています。父も、私が注文した魚料理が気に入ったようでした。私はパスタの文字が見えたので楽しみにしていましたが、出てきたのはまるでお米のような形状のパスタ・・。これにクリームソースが控えめにかけてある感じの物でした。まぁまぁです。
デザートのケーキはラズベリーとパッションフルーツを一つずつ。二人ともぺろりと平らげていました。とても楽しんだ分、このランチはとても高くつきましたよ。





 昼食に食べたサーモンのクリームソースは絶品だった。前回もサーモンを食べたが、本当に美味しい。今回の旅行中で一番美味しかった物を聞かれれば、このサーモンのクリームソースがけを選びたい。お勧めですが、もし行かれた時にこのメニューが無くても責任を持ちません。(^^;

 父は足が心配になり出しましたが、次の目的地のオランジェリー美術館へ向かいました。遠くエッフェル塔や凱旋門、近くには大きな観覧車が見えて、沢山の鳩やカモメが飛び交うチェルリ−公園を横切っていきました。

オランジェリー美術館もちょっと並んで、建物の中へ。モネの睡蓮の連作を見るのが目的でしたが、ルノワールやマチス、ピカソなども沢山展示してありました。モネは、見る人が多くて、遠くから眺めるのが難しくやや残念でした。それでも、連れ合いは見に来て良かったと満足した様子です。

 オランジェリー美術館がモネのスイレンを飾る為に用意された事は知っていたが、実は場所を知らなかった。今回、近くにあればと思って地図を見ると、何の事は無い。オルセー美術館の対岸だった。しかし、ルーブル、オルセー程、ガイドブックで紹介されている訳ではないので、並んでいるような事は無いだろうと思っていたが、甘かった。ちなみに、共通パスを持っていると、列の右側に、チケットを持っている人が並ぶ場所があり、少し早く入る事が出来る。
 地下1階の展示を先に見て、その後、グランドフロアのスイレンの間を見に行く。楕円形の部屋が二つ、それぞれの部屋の4つの壁にスイレンが飾られていた。壁に沿って絵を観ていくよりも、自分の歩いている壁の反対側の絵を観るようにすると、その良さがわかるのではないだろうか。水面に映るスイレンが実に美しく描かれている。私は入って一つ目の部屋の、一番、出入り口に近いスイレンの絵が特に気に入った。




 さあ、これからどうしようかと思案しながら、凱旋門の方向へシャンゼリゼ通りを歩き出してしまいました。折しも、クリスマスマーケットで沢山の出店が並び、凄い人人人。初めは楽しんで歩いていましたが、父の足は限界へ。やっとタクシーを見つけて乗り込むと、ホッとしました。そして思っていたより近くにホテルはあり、帰ってくることが出来ました。しばし部屋で休憩です。



 この時のタクシーの料金が7ユーロ程だったのに、若干、驚いた。実は、過去にルーブル美術館からシャンゼリゼ通りを通り、凱旋門からエッフェル塔まで歩いた事があるのだが、その時の感覚で、シャンゼリゼ通りは、ホテルからルーブルまでの距離と、そこからシャンゼリゼ通りまでの距離が必要だと思っていた。やけにあっさりとホテルに帰ってきたので、地図を確認すると、何と、ホテルからはルーブルよりもシャンゼリゼ通りの方が近いくらいであった。つまり、3角形になっていたのである。この発見が後に、ちょっとした行動を取らせる切っ掛けになった。

 連れ合いは、私が今回は旅行記を書いているせいか、遣った出費の入力に力を入れています。
 ホテルに戻ってすぐに疲れた父を残して私達はスーパーマーケットに行ってきました。フロントにホテル周辺の地図を見せて、「スーパーマーケットはどこにあるの。」と、場所に印を付けて貰おうとしたら、全くすぐそばにあると自信を持って方向を指さすので、仕方なくその方向に歩いて探したのですが、なかなか見つかりませんでした。それで、半分あきらめてホテルの向かって戻っていると、それらしき店を発見しました。本当に近くでした。もう少し英語がハッキリ聞き取れたらすぐに見つけることが出来たのですが、私のリスニングの悪さと何とかなるだろうという思い込みで、沢山歩くことになってしまいました。
 その、スーパーマーケットはとても、スーパーを付ける程の店舗の大きさもなく、0.5Lのペットボトル6本のパックとバナナを三本を買っただけで出てきました。
 寝不足だった私は少し睡眠を取り戻し、ガイドブックを読み直して近くで一番大きな百貨店であるギャラリーラファイエットの食料品売り場がお土産になる食料品もありとても大きな売り場で21時半まで開いていることが分かって行く気になりました。もしかしたら、テイクアウトで夕飯もまかなえるかもとも思っていました。
 父も5万円両替をしていたので、しっかり遣って貰うことにしました。父は、すっかり元気になったと言うことで外出に乗り気でした。また、服装も黒の厚手のウインドブレーカーに古いけど洒落たセーターに着替えて出てきました。この、着道楽も彼の性分の一つで、私にもややその遺伝子を持ってます。
目的地に向かって歩いている内に雨がぽつぽつ降ってきました。しかし、傘を取りに帰るほどではないと判断したのですが、歩いている内にあれよあれよと降り出してしまいました。街頭の人出は想像以上に多く溢れかえっていました。街のイルミネーションは美しく楽しい物でしたが、人の数となかなか見つからない食料品売り場にまず父が不満の声を上げ始めます。ここでも私は、インフォメーションの人に「食べ物を売っている所はどこ。」と聞いて、道を横切った別の館と言われ、良々よしよしとむかったのですが、今回も見つからずさんざん父と連れ合いを引っ張り回してしまいました。外に出ると雨はひどく、もう限界だからホテルのそばまで戻って夕食を食べようと帰りかけた所で、道を横切る先を間違えて違う館に入っていたことを連れ合いが発見しました。やれやれ、ラファイエットグルメという場所はちゃんとありました。しかしもう、疲れてしまった私達は何を選ぶ元気もなかったのですが、干しぶどうが欲しいと言っていた父は2袋を買うことが出来ました。これだけの為に、あんなに歩く必要はなかった気がしますが、ついてきてくれた二人に感謝です。

 連れ合いが思い込みで歩くのはいつもの事である。しかし、これは一長一短で、こと、レスロランを探す時など、連れ合いの勘の良さはなかなかの物である。私が1ヶ月くらいかけて探して予約をしていった店が大した事は無く、連れ合いがふらっと見つけた店が当たりなどという事は良くある。なので、基本的に私は連れ合いがある程度、満足するまではそのままついて行く事にしている。まあ、たまには外す事もあるが。今回は、明日の集合場所を確かめる目的もあったので、歩き回った事は無駄ではなかった。


 目を付けていたインド料理のレストランに入り、日本語メニューを貰いました。それでも、オーダーしたものの、どんな物が出てくるのか、量はどれくらいあるのか、常にミステリーです。今回は、ワインはやめて父と二人でハイネケンにしました。ハイネケンは今回ずっとビールといえば出てきますが、口当たりが良く水替わりにとても美味しいです。連れ合いはラッシーがあると喜んで注文しました。でも大きなグラスになみなみと入っていて、ちょっと飲みあぐねていました。

 わかります?この大きさ。なかなかダイナミックでした。



出てきた料理は、シシケバブがやや辛くて父の口に合いませんでしたが、チキンと子羊のカレーはどちらも美味しくて、少なめのナンとサフランライスに良く合い美味しかったです。父も、「明日もここへ来ようか。」なんて言っていたので、満足したのでしょうね。代金も63ユーロと今までの食事の中では一番安くて済みました。そして、ホテルに戻り、明日の朝食は7時で8時には待ち合わせ場所に向かうことを約束して引き上げました。

 このインド料理店、表に各国の国旗が描いてあり、日の丸の下に、「日本語メニューあります」と書かれていた。中に入るとウエイターが「Where are you from?」と聞いてきたので、連れ合いが「ジャパン」と答えると、すぐに日本語のメニューを持ってきた。しかし、店員は日本語メニューが理解できないので、メニューには日本語と英語が併記してあり、それで注文を取っていた。
 ここのカレーはなかなか美味しかった。一緒に出てきた長粒米のライスも上手に炊いてあり、カレーに合っていた。不満は2つ。一つ目はカレーは個人的に、もっと辛い方が好きなので、辛みを追加できるスパイスをテーブルに置いておいて欲しかった。もう一つは、ライスはあんなに上手なのに、何故、ナンはあんなに下手なんだろうと思ってしまった。以上の2点を除けば、ホテルからすぐだし、満足できるレストランだった。

 今日はとても充実したフリータイムではあったのですが、父の足がすぐに痛みが出てくることが分かって、かなり心配になってきました。モンサンミッシェルはとてもすてきな所ですが、要塞と言われる修道院で階段も多く、ガイドブックには元気に人でも歩きやすい靴でと注意書きが載っています。明日はパリからのツアーで参加するので、団体行動になります。父がちゃんと付いてこれるのか、とても父に見せたい場所だったので、あまり父の足のことは考えずに旅程に入れてしまっていたので、ちょっと後悔も・・。大丈夫かなぁ・・。

 父は、2週間に一度ヒアルロン酸を打っているそうで、膝様の分厚いサポートも付けていて万全に準備していたはずですが、階段の上り下りは堪えるようでした。今回の美術館巡りはちょっとハードだったんですね。明日もどうなるかなぁ・・。


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