パリ市街


 6時50分にセットしたモーニングコールで目が覚める。夜中に寒いな〜と毛布をかけなおしたような気候である。暑苦しい日本と違い、実に良く寝たようだ。いっぱつで時差ぼけを解消したようで、さわやかな目覚めである。
 服を着ると7時00分から可能な朝食を取りに行く。僕が一番乗りで、特に席は決まっておらず、セルフサービスの朝食を取る。係りの人がコーヒーの入ったポットを持ってきてくれて部屋番号を控えていった。



 これが朝食を取るスペース。なかなか小奇麗で気持ちのいい空間だ。
 下がシリアルやパンを乗せている台。



 朝食を済ますと身支度を整え、いよいよパリ観光へ。今日は今晩と明日の午後に予約してあるリドディナーショーとベルサイユ宮殿のチケットを貰いにJCBプラザに行き、その後は一日有っても見切れないというルーブル美術館を見学する予定である。
 地図を頼りにJCBプラザを探すが、なかなか見つからない。表に看板が出ていないのだ。パンフレットに載っているビルの名前を頼りにようやく見つける。綺麗なオフィスビルの2階(もちろん、日本でいう3階です。)であった。

 これがそのビルの入り口。自動の回転ドア-を入ってエレベーターで2階に上がる(回転ドアを入ったところにはJCBの表示がある)。プラザにのお姉さんに「ここはわかりづらいですね。」と言うと、「パリは規制がきつく、会社などは表に看板を出す事が出来ません。ここはオフィス扱いなので、案内看板を出せないんです。」との話であった。たいていの人が探すそうだ。チケットを貰って、セルフサービスのコーヒーを飲みながらお姉さんにパリの街の話を聞く。僕のように背中にリュックを背負って大きなカメラを持っていると絶対に狙われると言う。混んでる時などに後ろから押されたりしたらリュックの中を開けられているかもという話だ。財布もチェーン付を使用しているが、これも中だけ持っていかれますよという事だった。(@_@)
 リュックはまあ、大切な物は背中側にあるポケットに入れてあるので(だから、担いだ状態では開けられない。そういうリュックをわざわざ用意したのである。)大丈夫だろうが、財布はベストの下に着ているシャツの胸ポケットに移した。


 JCBプラザを出ると街の写真を撮りながらルーブル美術館に向かう。奥に見えるのが入り口広場への入り口。(^^)









美術館の入り口がある地階への入り口のピラミッド。やけに空いている・・・・。(^^;


 さすがに平日だな、空いているじゃ無いかと思ったが、近付くにつれて不安が・・・。ピラミッドの入り口付近に数人の警備員がいて話をしている。入り口のこっちでは観光客らしき人達が立て札を見て話をしている・・・・もしかして・・・・。
 そう、不安は当たった。なんと、本日火曜日は休館日なのだ。愕然としてしまった。ガイドブックを見ても確かに休館日・火曜と書いてある。完全なチェックミスである。急遽、予定が空いてしまったが、まあ、気を取り直して凱旋門とエッフェル塔に行くことにした。目の前に広がる大きな公園を横切り、コンコルド広場に出る。かの有名なアントワネットがギロチンにかかった場所が確かここではなかったろうか。詳しくは知らないが。
 左手にエッフェル塔、右手に凱旋門が見えるが、シャンゼリゼ通を通って凱旋門に先に行くことにした。エッフェル塔を背に歩き出すと、前でカメラを持ったおじさんがこっちを見て手をあげている。こんな所に知り合いはいないので、僕ではないと思って先に進もうとすると、今度はもっとはっきりと、止まれの合図をするのだ。よく分からないが、一瞬、立ち止まる。するとそのおじさんはこちらを向いて写真を撮った。過去にアメリカに行った時に、一緒に写真に写って欲しいと言われたことも有るので、この人も日本人の写真が欲しいんだなと思ってそのまま行こうとすると、ニコニコしながら近付いてきて写真を入れる紙の額を差し出す。そういえば連れ合いがパリに来たとき、いきなり写真を撮って売りつける人がいたとか言って買ってきてたな〜と思い出し、一言、「No!」と言うと、もう写真を撮ってしまった、ポーズをとったではないかとまくし立てる。相手にせずに歩き出すと後を追うまではしてこなかった。


 これがシャンゼリゼ通り。カフェが道に出ている。パリの名物と言おうか文化と言おうか、パリの街の「お洒落の象徴」のひとつがこのオープンカフェであることは違いないと思うが、正直に言って、僕はごめんこうむる。
 梅田の1号線沿いにオープンカフェを作ったら、「お洒落〜」といってお客が来るだろうか?排ガスまみれになりながら食べてもおいしくないのではないかと思うのだが。これがパリだとお洒落になるのだ。シャンゼリゼ通りは渋滞も起きるメインストリートだ。車どおりは多い。地元の人はまあこういう文化で育っているのだからかまわないと思うが、日本人がありがたがるのはいかがなものかと思ってしまう。僕は迷わず店の奥に入っていった。外は一杯でも店の中はがらがらだった。おかげで荷物を席において2人分取っても全然、気にしなくていいのは良かった。



 ここでひとつ、特筆しておきたいことがある。フランス人の知り合いが「パリには日本人用のメニューが別にあり、他のメニューより高い。」と聞いた事がある。その理由がこの店で分かった。注文の仕方が分からず、カウンターに行った僕に「座って。僕が行くから。」と言った店員が、フランス語と英語を併記したメニューを眺めている僕に「日本語のメニューを持って来ようか?」と言ってくれた。そして渡してくれた日本語メニューを見ると・・・。
 僕は結構歩いたので、ちょっと小腹が空いたという程度だったため、軽食で良かったのだが、その日本語メニューには定食以上しか載っていないのだ。値段にして70FF以上。飲み物もコーヒーなどは載っておらず、40FFを超えるようなワイン等。でも英語のメニューには20FF程度のサンドイッチ、15FFのコーヒーが確かに載っている。もし、英語のメニューを読むのを諦めて日本語メニューで注文すると高い食事になるのだ。その代わり、「パリのカフェでコース料理を食べてきたのよ」と言える程度の食事が出てくるのだが。100FFでも2000円にはならないから日本人の感覚からすれば高くは無いが、そのおかげでいいお客さんなんだと思う。
 僕は英語メニューの中からドイツ風サンドイッチとコーヒーを注文した。座った席がさっきのウエイターの担当とは違うようで、別のウエイターが注文を聞いてくれたが、僕が英語メニューのほうから注文をしているのをみてさっきのウエイターがにっこりしてウインクをしていった。まともに英語をしゃべることが出来るわけではないが、単語を並べるだけでも何とか伝えようとすると聞いてくれる。英語が母国語で無いのはフランス人も同じである。結局、チップまで含めて60FFで済んだ。

 さて、目指す凱旋門はもう目の前だ。今晩、ディナーショーに来ることになっているリドの前を通り過ぎ、凱旋門の前に到着した。



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